投稿元:
レビューを見る
先日タイムリーな話をしたばかりで。そちらは日記で書くことにしますが。ノーマルな同性愛なのか、でも性同一性障害なら異性愛なのか、はたまた性同一性障害の同性愛なのか・・・。少年同性愛、長野まゆみ作品では殆どテーマになってますが、今回の読んだ「サマー・キャンプ」で構築された世界観は、完全に理解することは出来なくとも、完全、だなぁ・・・と感じた。なので、ぐっと考えさせられる内容だったと思います。どっちがどっちで何が何?これを読んでみて、長野作品て実は、不安定で、軽く絶望的で、自己認識とか当たり前だと自分たちが思っているものを強く揺さぶってくるものがあるのではないかな、と感じた。それでいいの?それが本当?本当って何?あなたは何?どこまでがあなた? 境界線がうまく見えないし、いつも主人公たちはそれを見失ってる。 彼女の作品を一概にホモだからと、卑下することなんてできないと改めて感じました。凄いおすすめ。ただ、他の作品にも触れておいたほうが「長野まゆみの世界」の深さを知ることが出来ると思うけど。彼女の作品の中でかなり重要な位置を占めているのでは・・・?
投稿元:
レビューを見る
難しいところもあるけど、言い表せない綺麗さとか、妖艶さとかがあると思う。
人間のからだは器でしかないような気がした。
投稿元:
レビューを見る
長野さんが取り組む“性”,“性別”というテーマについて,深く掘り下げている.何やら,実験的な雰囲気.
これまでの作品でも取り扱われてきたモチーフが,随所に配置されながら,今までになく綺麗にまとまっている.
淡々と描かれる物語が若干物足りなく感じるけれど,これだけの哲学的テーマを,小難しくもなく一つの物語世界にまとめあげる手腕は見事.
再読であるのと,他作品で同じテーマに何度も触れているからこそ,把握できた部分が大きいかも.
初読時は作者の意図が全く理解できず,脳内に「?」だけが残ったことをここに告白しておきます.
投稿元:
レビューを見る
温(ハル)目線で読んでたらすっかりだまされた。 主観の不思議さ。だったり、生物学的なひとひねりだったり。世界観の秀逸さだったり。 ってのは、やっぱり「長野まゆみワールド」で、嫌いじゃない。 でも、BL的な描写のグロさ(生々しさではなく。)が、ちょっと鼻についた。
投稿元:
レビューを見る
内容(「BOOK」データベースより)
夏休暇も間近なある日、湾岸校に通う温は、
ルビと名乗る少年から「契約」をもちかけられる。
無口な少年と、手癖のわるい女の子、
二つの人格をそなえたルビを、
離れて暮らす母は「あなたの弟よ」というのだが―。
生殖医療の発展した近未来を舞台に、
人をこの世につなぎとめる愛、
血脈を越える絆を描き出す傑作長篇。
**************
投稿元:
レビューを見る
初読:中学生
長野まゆみの作品は、雰囲気に惹かれて読んでみようとしたものの、刺激が強すぎて結局殆ど読まずじまい。でもこれだけはなぜか好きで、何度か読み返した。
ストーリーは何回読んでも印象に残らないんだけど、多分世界設定というか情景が好きなんだと思う。
投稿元:
レビューを見る
夏休暇も間近なある日、湾岸校に通う温は、ルビと名乗る少年から「契約」をもちかけられる。無口な少年と、手癖のわるい女の子、二つの人格をそなえたルビを、離れて暮らす母は「あなたの弟よ」というのだが――。生殖医療の発展した近未来を舞台に、人をこの世につなぎとめる愛、血脈を越える絆を描き出す傑作長篇。
投稿元:
レビューを見る
何回目かわからない読み直し。
体が反応する相手が唯一とか・・・ときめく。
血縁関係と戸籍を見比べるとおもしろいw
投稿元:
レビューを見る
複雑でした。それは、もう、いろいろと。
科学が進歩するといろんなことができちゃいますね。
怖いな。
投稿元:
レビューを見る
+++
「愛情など、断じて求めない、はずだった」 体外受精で生まれた温は出生の秘密を自らの手で明かそうと決意するのだが…。近未来を舞台に、人間が種として背負うべき未来への責任を問う書き下ろし長編小説。
+++
近未来の物語だが、人間が自らの遺伝子を操作することに高いレベルで熟達すれば、現実問題としてこんな状況が決して珍しいことではない世の中になるのかもしれない、と戦慄さえ覚える。自然な営みや、本能としての愛の探求。そんなものが、懐かしい過去の話になってしまう日が来るかもしれないというのは、恐ろしさもあり、寂しさもある。そして、彼らが抱える葛藤は、決して彼ら自身が望んだことではないのであり、その理不尽さには胸が痛む。もがきながら懸命に自分を探して生きている彼らが、愛おしくもあり哀しくもある。この世界に幸福はあるのだろうか、と考えさせられる一冊でもある。