紙の本
日々の通勤沿線の近くがモデルとは感動です
2019/01/22 23:46
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:多摩のおじさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、日経電子版の文学の舞台となった土地や風景等を写真と簡単な案内文で紹介する「文学周遊」で
出会った1冊で、舞台となった「米軍南多摩キャンプ」のモデルとなった多摩丘陵にあるかつての陸軍多摩火工
廠や、冒頭で本書の進行役である地上げ屋の丹羽が老人(真柴)と競馬観戦し1冊の古い手帳を託された府
中競馬場(正式には東京競馬場)が、日々の通勤沿線の近くであることが判り、その写真からのイメージも
膨らませながら一気に読んだことを覚えています。
内容については、本書の性格から読み進む中で読者の方が直に判った方が、良いと思いあえて触れませんが、
バブル崩壊時と終戦時が相互に表われては入れ替わるような展開で、読み手を飽きさせない構成で、本書が
映画化(購入時には映画の紹介帯付き)されたのも合点がいきました。
なお、後で判ったのですが、稲城市のHPに「映画「日輪の遺産」のご紹介」として、「この作品は、原作者である
浅田次郎先生が稲城市に住まわれていた際に執筆されており、作品中に登場する武蔵小玉市は稲城市をモ
デルとされています。」とあり、著者の地元へのオマージュが作品全体に溢れていたのですね。
投稿元:
レビューを見る
さすがは浅田次郎の歴史ファンタジー。
半狂乱の時代を包んでいた退廃的な雰囲気と、それと対照的に生き生きと描かれる少女たちの様子には息を呑むばかり。戦時中も子供たちは変わらないんだろうな。
投稿元:
レビューを見る
またやっちゃいました。計らずも再読!
ところが全然内容を覚えてなかったんですよね〜。
財宝を運んだ女の子たちが毒を飲んで(飲まされて)死んだ、ということと、
結局、丹羽や海老沢はその財宝を目にすることはなかった、ということはなんとなく覚えてた。
強欲金原は実は財宝運びにかかわった軍曹で、
金原婦人は自殺した子供たちのたった一人の生き残りであること、
マッカーサーは日本軍が隠したその財宝を一旦見つけ出したのに、女の子たちの遺骨がその周辺に残っているとみると、運び出すのをやめて、その扉を固く閉ざしてしまったこと等々、肝心な部分はすっかり記憶になかった。
まったく初めて読む小説として楽しんだ・・・けど、
この作品はあんまり好きにはなれないなぁ。
女の子たちの遺骨を見て財宝をあきらめるなんて、実際にはありえないでしょ。人情的すぎる。
浅田氏お得意の泣かせのテクを垣間見てしまって、なんかやな感じ。
よせばいいいのに、おちゃらけも入っていてゲンナリです。
浅田氏のおちゃらけは全然おもしろくない。
「蒼穹の昴」のような、壮大な歴史小説をもう一度お願いします!!
投稿元:
レビューを見る
第二次世界大戦。
フィリピン独立にマッカーサーが残した膨大な財宝。
敗戦後の日本復興資金として財宝の秘匿を命じられる軍人たち。
読みやすかったし面白かったけど。
ラスト2ページのオチは微妙。
投稿元:
レビューを見る
現代のわたしには想像しかできない、戦時中の精神状況。
教育によって人の価値観は全くかわってしまう。
投稿元:
レビューを見る
浅田先生の面白い所は、何を読んでもどこかにちゃんと浅田先生が現れる所。自衛官であったり、バイヤー、任侠団体、くすぶり、総会屋。さてどちらがエッセイでどちらが小説なのか・・。
日輪は、くすぶりでした。女子学生たちには、真岡郵便電信局事件を思い出しました。
投稿元:
レビューを見る
終戦直前、帝国陸軍がマッカーサーから奪った財宝が極秘裏に隠匿された。それは日本が敗戦から立ち上がるための資金となるはずだった。そして50年後、一人の老人が遺した手帳がその真相を明らかにしようとしていた-。
-文庫裏表紙より-
宝探し本?かと思いきや。コレ好きなヒトはシェラードもおすすめ。
投稿元:
レビューを見る
自称「小説の大衆食堂」というこの作者の守備範囲は広大。読者の一人としてはその中での好き嫌いとジャンル分けしてしまう。
この作品は「あとがき」にもあるように『プリズンホテル』や『きんぴか』でブレイクした後、その路線だけで走ることをよしとせずに新たな分野に挑戦した第一作らしい。それだけに以後の作品へと拡散していく「しかけ」が随所にちりばめられていて読み応えがあった。
帝国陸軍がマッカーサーより奪い、終戦直前に隠したという時価二百兆円の財宝。老人が遺した手帳に隠された驚くべき事実が、五十年たった今、明らかにされようとしている。 というミステリー仕立ての一つの戦後史で『蒼穹の昴』の原点であると言われている。
創作されたものであるとはいえ、マッカーサーが際だって描かれていて今までのニュース映像での姿を超えた。また、それぞれの登場人物のモノローグは『壬生義士伝』でうまいなあと唸った部分の原典をここに見た思いがして複雑な心境も味わった。いや、見事だ。そして、最後まで飽きさせはしない。あの戦争がなんであったのか、軍人の美学、生き様死に様を種々語りながらラストではしみじみと余韻に浸ってしまわせるような作品だと言える。
次にこの著者の本を読むのにドキドキする。
期待が大きくなるとがっかり度も深くなるから。
しばらくは浅田次郎作品から離れていよう。
投稿元:
レビューを見る
物語の構成がうまい小説。もちろん内容も。
読みながら考えられて、読み終わってもすっきりというのは少し違うが、区切りがよい。
人物の個性が際立っている作品。
投稿元:
レビューを見る
マック読書で涙してしまうとは。。w
終戦に生きた人達の謀が錯綜する。
遺産とは、誰の、何のための遺産か。
壬生義士伝には負けたが、
よく走っている多摩川とか、近所の南武線とか。
川の上流に広がる多摩丘陵の地下。
その先の闇に眠る財宝に思いを馳せてみたり。
投稿元:
レビューを見る
作者はあとがきで、若いころ書いたもので未熟なところありと謙遜しながらもあえて手は加えずとも。手を加えなくても十分面白いと感じた。200兆円の遺産、マッカーサーの登場とスケールが大きいだけではないのがこの作品の魅力。おすすめ。
投稿元:
レビューを見る
多分、ちょっと縦に置いたら、立ちますねー。ってくらい厚い本。でも、内容もちゃんと熱い。そして、小気味よくテンポがいい文章で綴られてますが、決して読後感がすっきりなわけじゃないです。
ってか、その描写いつ出てくるのかと思ってたら、そこかよっ!!みたいな構成になってます(泣)その事については、チャイコフスキーの「悲愴」を例にして、著者ご自身も触れてますが…。
それでも、ちゃんと読んだ後に熱くて、じんわりとするものが残ってます。それが遺産なのかどうかは僕にはわかりませんし、これはフィクションでしょうけど、少なくても、50年前の日本を生きた、青年将校達や、少女達の想いは、そういう類のものだったんじゃないかと容易に連想できました。
読んでよかったと思います。
投稿元:
レビューを見る
読み出しはとても良い、引き込まれてぐいぐい読んでいく。「さあどうなるのか」とドキドキしながらページを繰る。過去と現在が行ったり来たりしながらそれぞれの結末に向かっていく。面白いが最後の結末は少し不満。
投稿元:
レビューを見る
【日輪の遺産】 浅田次郎さん
不動産屋の丹羽明人は競馬場で知り合った老人・真柴
から一冊の手帳を託された。
その手帳には終戦後に日本が立ち直るための復興財源
として帝国陸軍が隠した財宝のありかと、その財宝の
隠匿作業に従事させられた女子中学生たちとの記録が
書かれていた。
ボランティア活動家の海老沢も丹羽と同じ手帳を真柴
老人から託されていた。
彼らは各々、独自で手帳の真相を調べ終戦直前に
多摩川・火工廠の裏山で何がなされ、どういう惨劇で
幕を閉じたかという事実を探る。
☆
「七生報國」と書かれた鉢巻を締め、鬼となってま
でも宝を守ろうとした女子中学生たち。
軍の命令に逆らってまで彼女たちを助けようとして
少佐。
戦後、国民を飢餓から救うために財宝の隠し場所を盾に
命をかけてマッカーサーと取引をしようとした中尉。
すべては国のため、国民のため。良心と使命感にあふれ、
私欲無く行動を起こす人たちの物語はとても私の好みの
物語です。(^^)/
投稿元:
レビューを見る
浅田次郎の日輪の遺産を読みました。旧日本軍が戦後の復興のために隠した金塊を守ろうとした人たちの物語でした。心意気はいいと思いましたが、ストーリーもうまくつながらなくていまいち楽しめませんでした。