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紙の本
「崩壊」から「蘇生」へ
2003/07/19 14:28
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投稿者:みいしゃ - この投稿者のレビュー一覧を見る
北海道の北星余市高校の事を知ったのはテレビのドキュメンタリーだった。
元不良少年が母校の教師となり、生徒と格闘しながら卒業式を迎えるという番組だった。
そのドキュメンタリーのプロデューサーの12年間の記録である。
地元の要望で設立されながら過疎化から廃校の危機にあった北星余市高校は1988年・全国で始めて中退者の受け入れを決めた。
北海道放送では88年から北星余市高校を取材しつづけ、同校をテーマにしたドキュメンタリーを製作し続けている。
12年間の間に起こるさまざまな事件については本書を読む楽しみとして省くとして、面白いと思ったのは窮余の策として選んだ「全国から中退者」の受け入れだが、それが学校だけでなく地域にも莫大な経済効果をもたらした事である。
授業料・寮費・仕送りはもちろんの事として、卒業式や学校行事で家族が来る事なども合わせると6億から7億の経済効果があると町の商工会では計算している。
また「この学校で子供が元気になると親たちも余市が好きになってくれて、お歳暮に余市のリンゴを使う」などの波及効果まで入れると想像もつかない程の経済効果を人口2万5千人の町にもたらせた。
もちろん、これは余市の人達のたゆまぬ努力の賜物である。
学校でも家でも居場所が無く傷ついた心の少年達にはお金目当ての表面だけの態度はすぐに見破られてしまう。
学校と地域が力を合わせて「未来のある少年達に再出発をして欲しい」という気持ちから努力と研究を重ねた日本に一つしかない「特産品」なのである。
「学級崩壊」「学力低下」「校内暴力」など教育をとりまく環境は厳しい。
一度つまずいてしまった子供達を見捨てるのではなく、「蘇生」させる北星余市高校の教育にこれからも注目していきたいと思う。
ドキュメンタリーに登場した母校に帰った元不良少年義家先生の著書不良少年の夢も合わせて読むとより興味が深まると思う。
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