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新美南吉を編む 二つの全集とその周辺 みんなのレビュー

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紙の本

新美南吉の2つの全集にかかわった編集者の視点。

2005/08/06 00:41

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:和田浦海岸 - この投稿者のレビュー一覧を見る

たとえば、富士山を眺める絶好のポイントを持っている人は幸せですね。絵画でもいろいろな角度を検討して、描きながら、ここだという立ち位置が決まってくるのではないでしょうか?
ここでは、新美南吉が語られているのですが、
南吉といえば、小学校4年生の国語教科書に掲載されている「ごんぎつね」を思い浮べるでしょうか。それとも美智子皇后が講演で語られた「でんでんむしのかなしみ」を思い浮べる人もあるかもしれませんね。
それでは、新美南吉を語るための絶好の場所はどこか?この本は、
新美南吉の二つの全集を編んでいた編集者による、南吉を語る最善の箇所を指摘した本であります。読みやすく、分かりやすい書き方に終始され、南吉の全体像を模索する手がかりが随所に散りばめられた本であります。こういう基礎的な踏み固めから、新しい新美南吉像が構築されてゆくのだろうなあ、と私は読後感じられました。童話からはうかがい知れない南吉の姿を読者に提供しております。
ここでは、ひとつだけ、
歴史上の評価の視点を紹介することにいたします。
昭和19年1月号『文学』で、波多野完治は『花のき村と盗人たち』を読んで、「その感触においてどことなく宮沢賢治を想起するであろう。」としております。
「『百姓の足、坊さんの足』『和太郎さんと牛』『花のき村と盗人たち』などの作品に示された、一種の現実ばなれした世界へ引き込んでいくファンタジーの手法が、これまでは『宮沢賢治のみが持ってゐたものであつた』と指摘していますが、両者は、作品に込めたモラルの点で、むしろ対蹠的であると論じています。・・・」
完治はまた昭和22年9月「季刊新児童文化」で
「その作品は少くともそのあるものは日本に子供がある限り残つて彼等に愛せられであろう。(略)彼が天才的な童話作家であつた、ということは今まで発表されたところをもつてしても動かぬことと云える。彼の残した童話は宮沢賢治のそれと共に日本童話文学の遺産であつて、この遺産はおそらく永遠の相の下にながめてよいものであろう。」
これから、新美南吉の現代にふさわしい評価が定まる。
そんな、時代がくるのだろうと、私など読みながら思うのでした。
そんな、思いを抱かせる、未来へと開かれた書物だと思いました。
私は誉めすぎたでしょうか?
じつは、町内で、この作者・保阪重政さんの講演があったのです。
講演が終ってから、この講演を主催した方々と保阪さんとの宴が開かれました。ちょうど宿屋でしたので、途中から参加させていただき、主催者の方と、保阪氏と、私と三人が最後に残って飲むという愉しい時間が出来ました。
いろいろとお聞きしたいことがあったのですが、酔ってもつれた舌で語る私の言葉がどれほど通じたかどうか。
そんなこんな余韻が残るなか、講演の場所で購入した本のレビューを書いたしだいです。

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