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「ガイドの職業こそ、こよなく美しい。
けがれを知らぬ土地で、その職務を果たすのだから。
いまの世の中には、もうわずかのものしか存続しない。
寒さも、風も、星も。すべてが打ち壊されてしまった。
生命のリズムはどこにあるのか?
すべてのものは、あまりに早く過ぎ去り騒々しい。
いそいでいる人間は路傍の草を知らない。その色も香も、風が愛撫する時の輝きも知らない。
忘却の静けさの中で・・・・」‐まえがきより‐
アルプスを代表する山岳ガイドであった著者の6つの北壁登行。
単なる登攀記録、紀行文にとどまらない、詩情溢れる文章がいけてます。
秋の夜長、寝袋に包まって、ウイスキーをちびちびと飲りながら読むと最高。
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高校生の頃に映画「星にのばされたザイル」という映画を見てガストン・レビュファという人を知り,これがきっかけとなって山岳小説を読みふけっていたことがあります。登山が好きでも何でもなかったのですが,このことから山に行って何でもない雑木林を登っていくことが好きになったりしました。登山としては経験は全くありません。ただ歩いたり登ったりしていただけです。。。大学では学部棟の石垣を登っていました。ひとりで山へ行って崖を登り始めたら降りれなくなってしまって,登りきった座る場所もない稜線で,コンビニおにぎりで昼食を取り,稜線上を跨いで移動して転落死しそうになりながら山頂に出たこともありました。(ほんとうに無茶でした。。。)
ガストン・レビュファの本を読むと自然と向き合うことの喜びの深みにとても感銘を受けます。今こうして再び読んでいても新鮮な共感を感じている自分自身がとても懐かしく嬉しかったりします。
今,ピッツ・パディレ北壁のページの途中です。続きを読むための帰りの電車が待ち遠しいぐらいです。
(後日、加筆)
今日電車の中で読みつつ,アイガー北壁の章に入りました。
多くのアルピニストを死に至らしめながら,冷たい荒涼とした暗い北壁にガストン・レビュファ達が挑んでいきます。(ワクワク)
~今日の一行~はその前の章『チマ・グランデ・ディ・ラヴァレドの北壁』の最後のガストンの文です。
それからザイルを外し、一般ルートを駆け下りた。今日、わたしたちはビヴァークをしない。星は、わたしたちの心の中で輝いていたのだ。
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図書館本です。
ガイドの酬いは「相手」(ガイドされている人)「が(登山に喜びを見いだして)笑顔を見せること」というところが泣かせます。