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紙の本
明るい夜の少女たち
2002/06/24 02:56
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あおい - この投稿者のレビュー一覧を見る
これはアメリカの「ノワール」の枠組みを利用した少女小説であると思う。精神分析では、少女にとって《母親》とは最初に出会う《他人(の女)》であり、マルグリット・デュラスが「たいてい娘は母親のことを気が狂っているのだと思うものです」というように、鏡像関係の《無根拠さ》の象徴として現れる。この作品の中で、ナディーヌとマニュという二人のヒロインの関係が、レズビアニズムとはまったく無関係だと強調されるのは、関係に《家族》の表象を拒絶する水平さとなってスピード感のある物語の進行に力を与えている。
ヒロインたちが出会う前と出会った後で、それぞれのキャラクターが異様に変質してしまう部分が、とてもご都合主義的で、ひっきりなしに流れるナディーヌの聴くウォークマンの音楽とマニュの食べるジャンク・フードのコントラストなど、面白いようでもあり何処か「騙されている」「見ないようにしている」ような弱さがある。それがラストの、アメリカン・ニューシネマのような凡庸な挫折感に浸されるのは、どうにもやりきれない。もっと違う《終わり》がないものなのだろうか。
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