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葬列 Dear loser みんなのレビュー
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紙の本
不運な負け犬たちの戦争
2001/09/01 23:59
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:YASU - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み進めるうちに、桐野夏生の『OUT』を思い浮かべた。横溝正史賞選考委員会にても、同様の意見が出たらしい。だが、タイプの違うものなのだと次第にわかってくれば、そして何よりも面白ければ、そんなことは関係ない。全く気にならないものだ。今の時代、これだけ膨大な「物語」が氾濫する中、どれにも全くかすりもしないストーリーを探し出すというのも難しいだろう。
胡散臭く、頼りなく、運にも見放された四人の男女が繰り広げる物語は、後半になるに従いどんどん加速していく。あれよあれよと言う間に戦争に突入だ。
情けない半端なヤクザであっても、史郎だって怒る時は怒るのだ。中年主婦の明日美としのぶも、腰はくだけ気味でもかなり図太くたくましい。そして、覇気のない、生きているか死んでいるのかわからない渚が一級の戦士に変身する様は、かなり凛々しく心地良い。最終章の渚には、前半・後半共に深く心を奪われた。
欲を言えば、史郎の兄貴分にはもう少し登場してほしかった。反面、あの程度、幻の様な存在だからこそ印象に残っているのかもしれないが……。
紙の本
ぐいぐい読まされるノンストップアクション
2001/02/09 13:38
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:吉野桃花 - この投稿者のレビュー一覧を見る
へなちょこヤクザ史郎は、ある事件を機に組に復讐を誓う。復讐に燃える史郎と、一攫千金を狙う3人の女が出会ったとき「戦争」が始まる。すごい強引な話なんだけど、ぐいぐい読まされる。ドキドキ。
欠点はある。前半は話の中心にいた史郎が、後半は脇のひとりになり、いくら復讐に燃えているとはいえ性格が一変する。アクションシーンが都合よすぎ。あれえ、という違和感を感じる部分がいくつかある。
でも、そんなことよりも、登場人物の魅力にひきこまれる。この人たち、どうなっちゃうの? 一攫千金を狙う3人の女も、それぞれに興味深い。行動は共にしているけど、内面の動機は全く違う。抱えている事情、生活、生き生きと伝わってくる。
とても印象に残ったことがひとつ。これ、沢山人が死ぬんだけど、その場面で「この人にも幼い頃があった。身を案じる両親もいる。なんでこんな簡単に死ななきゃならないんだろう。」という心情が度々語られる。自分がやっといてこんな感傷もないもんだが、なんだか「人間、この不思議な生き物。」って感じで、心に残った。案外そんなものなのかも。よほどの確信があるようでも、人間の心はあっちに揺れたりこっちに揺れたりしているんだろう。あっちに最大限に揺れているときにやったことを、こっちから見たら、そんなとんちんかんな感情を持ってしまうのかもしれない。
ほんと、人間って不思議でおもしろいものだ。
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