紙の本
胸にぐさりと刺さる
2022/06/21 16:41
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
5年前に亡くなった大田昌秀・元沖縄県知事が、知事になる前、研究者だった頃に書いた本が底本。新版では知事を経て、見えてきたことがあとがきで加筆してある。
随分昔に書かれた本だが、大田さんの言うところの沖縄と本土の「心理的亀裂」は、ますますひどくなっているように思える。
「沖縄に過重に基地を負担させたままいたずらに安保条約の重要性を強調するだけで何人もみずからは条約に責任を負い基地を負担しようとしない」との言葉は多くの人の心にグサリとくるのではないか。
沖縄の人に、「醜い日本人」とまで言わせてしまう状況を私たちは真摯に受け止めなくてはならないと思った。
投稿元:
レビューを見る
沖縄に旅行に行った際に、沖縄では基地の面積が非常に大きいのを実感しました。そのときに新聞に紹介されていたので読みました。沖縄の歴史や米軍駐留にいたる経緯など詳しく知ることが出来ました。
投稿元:
レビューを見る
醜いタイトルだが、読み進めていくうちに合点がいく。
どこまでが真なのか若干の危惧もあるが、参考文献の記載もあり、解釈の範囲内で真なのだろうと思う。
政治家の人のみならず、沖縄県民にも一読して欲しい本。
「日本政府自体が沖縄人を異民族のように処遇してきた」
ということであれば、沖縄の人もあえて「日本に帰属する」という意識を持たなくてもいい、という考えもあるのかな。
1969年初版の本だが、新稿を加えて2000年に第一刷されている本。
歴史について書かれている部分が多いということもあるが、内容は色あせてはいない。
払ってもいい金額:2,000円
投稿元:
レビューを見る
【元沖縄県知事による憤怒の書】
本書の旧版は、本土復帰運動が高まりつつあった1969年に出版された。この新版はそれから30年後の2000年に、「痛恨の思いを込めて、今一度、本書を世に問わざるを得ない」として出版されたものである。
その痛恨の思いは、最後の第4章が、「沖縄・自由への道」から「醜さの根源」へと全面的に書き換えられたところに明確に示されている。「日本人は醜い―沖縄に関して、私はこう断言することができる」とのまえがきから始まる本書は、沖縄戦下の日本兵による沖縄人殺傷、集団自決の強要、基地の沖縄への集中過程など、「日本人の醜さ」への筆致に緩みがない。
そして、われわれ引き取り運動に関わるものとしては、とりわけ大田の次の警句を肝に銘じておきたい。「本土同胞のひとりひとりが、沖縄の実態を把握することを、自らの義務として、取り組んだとき、初めてその認識は、「全国民の声」に結集され、異民族による軍事占領という屈辱的事態を変革し、真に日本の独立を達成する力に転化できるのである」。(本土に沖縄の米軍基地を引き取る福岡の会/吉村)