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柴田さんはゴーリーの絵本の名訳に感動した記憶があって、これも期待して読んだ。アメリカ文学には興味が一切なかったけれど、テーマごとに深く掘り下げた考察と、引用とを交えてアメリカ文学作品を紹介してある。色々読みたくなりました。
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[ 内容 ]
ポーからパワーズまで、著者自ら訳し、語る、待望の本格的講義。
[ 目次 ]
名前
食べる
幽霊の正体
破滅
建てる
組織
愛の伝達
勤労
親子
ラジオ
エピローグ―アメリカ文学のレッスン
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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小中学校の国語の読解問題で一部抜粋が使われてて、当然有名どころのクライマックスだから面白いに決まってる!のに続きがすぐ読めないストレス。
を、感じます。
おまけに一部抜粋が前半部で後半部に作者の背景事情とか他の作品との絡みなんかも解説しちゃった論説文がついてて抜粋なのに一部なのにやたら読みに厚みでてきちゃった、ような、気分になってむきゃーてなるやつ。
あー本読みたい。ていうか本読みたい。本読みたい。まじ本読みたい。仕事とか本読むのに比べてなに楽しいかわかんないし本読みたい。三次元超苦手だし本読みたい…
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アメリカ文学に興味があるわけではない。ところが興味がないものを読みたくさせてしまうのが柴田先生の控えめで強力なレトリック。
テーマごとになっており、どこから読んでもよいつまみぐい式。
アメリカ文学というのはひとつ、父親不在の文学である。
アメリカ文学において父親を探しにいくというのはあまり得策ではない。会いに行った父親は廃人であったり、はたまた殺人鬼であったりするのだ。
そこに新しい流れをもたらせたのが50~60年代のユダヤ系文学であるそう。ここに示される父親にはプラスの影響が見られる。最近読みたいと思っていた David Grossmanをふと思う。
とりわけヘンリー・ミラーの『北回帰線』、メルヴィルの『ピエール』、ジョーゼフ・ヘラーの『キャッチ=22』が読みたくなった。
これだけ読みたくさせておいて「訳書・原書に向かっていただかなくとも、何か楽しいことが生じてくれれば何でもいい」といっている柴田先生の脱力感がまたいい。
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数々のアメリカ文学の優れた翻訳で知られる翻訳家・大学教授である柴田元幸によるアメリカ文学を巡るエッセイ。一応、幾つかのテーマを設定し、複数のアメリカ文学作品を紹介しつつ、アメリカ文学の本質に迫る。
フォークナーの『アブサロム、アブサロム!』に代表される家を建てることへのこだわりがWASP男性の自己実現欲求を投影したのであるという論考など、アメリカを知れる一冊。難しくないので、気軽に読めるのも良い。
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自分一人では手に取らないような、出会いがないような作品を齧ることができた。違う作品を同じテーマに沿って比較する、文学の見方の一つを知れた。
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アメリカ文学が多様に価値あることがひしひしと感じられる本。切り取り方、いろいろな小説をコンパクトに比較し、魅力を抽出している。小説の力を体感できる本。
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たいへん楽しく読んだ。エピローグでの、「『面白い』『面白くない』を唯一の基準に小説を読むことが悪いとは全然思っていない(というか、それ以外で小説に対して失礼にならない読み方なんて思いつかない)」という言葉と、それに続く「小説のなかの人物たちが〈他者〉を消費することについて考えようとするなら、少なくとも、なぜ自分がこれを面白いと思いあれをつまらなく思うのか、それもあわせて考えてみるべきであろう」の言葉に、軟弱な小説読みである私はいやに慰められた。
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なんか私が読んだのと表紙が違うな…。まぁいいか。
この本を元に何冊か読んでみたい本が出てきたので、今年頑張って英語で読みたいと思います。
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[関連リンク]
松岡正剛の千夜千冊『アヴァン・ポップ』ラリイ・マキャフリイ: http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya1124.html
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象徴として立ち現れる事物を軸に、様々な作品を比較。その中からアメリカ文学の特徴を洗い出している。しかも口語体だからわかりやすい。これからアメリカ文学に触れようという人に特にオススメ。
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15のテーマについて、アメリカ文学におけるさまざまな作品のなかでどのように語られているのかということを論じている本です。
とりあげられているテーマは、「名前」「食べる」「幽霊の正体」「破滅」「建てる」「組織」「愛の伝達」「勤労」「親子」「ラジオ」となっており、文学上の大問題というようなものではありませんが、それぞれのテーマがひとつの窓からさまざまなテクストが織り成すことで構成されているアメリカ文学の風景を見わたすような興味深い視点を提供しています。
手軽に読めるアメリカ文学についてのエッセイといった体裁で書かれていますが、アメリカ文学のそれぞれの風景を切り出してくる著者の手腕が光っています。
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大学の英文学の読解授業にすごく似ていた。はるかに分かりやすかったけど。
アメリカ文学の典型的パターンを面白く解説していくなかで、一人一人の作家の描きたかったであろうことやその意味をきちんと私たちに教えてくれる。読むのは好きでもメッセージを言語化して説明するのは難しい、私みたいな人には全くありがたい本だった。
これくらい教養があればなぁと思う。知識や人間性を兼ね備えた上で諦念を持って今の暮らしをするのと、ただ今の暮らしをするのとでは人生の謳歌具合が違うと信じているので。
虚無主義も主義には変わらない、考えて生きていきたいなぁとやっぱり思わされた。
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「名前」「食べる」「幽霊の正体」などキーワードを上げ、その言葉に沿ったアメリカ文学を紹介していくスタイル。
ひとつのキーワードに2~3つのアメリカ文学が紹介されており、必然的に寄せ集められた感が楽しい本。
この本から実際に何冊か「読んでみてよかった!」という本に出会えました。
柴田元幸と本のタイトルに惹かれ過ぎたのか、一度紛失したのか、同じ本が2冊あります。
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『<読む>という冒険』佐藤和哉著 岩波ジュニア新書より:
「身近なテーマを切り口に、アメリカ文学を見つめ直した本。本文ではアメリカ文学は扱わなかったが、外国の、そして英語の文学に対する態度という点では共通するところがある。古今の名作を訳している柴田さんは同時に名エッセイストでもあり、この本でも文章の巧みさに引き込まれる。」