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みんなのレビュー3件

みんなの評価3.5

評価内訳

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紙の本

本の内容に非ず、タイトルをめぐる感想だけで一気に読ませてしまう不思議な本。

2000/08/03 12:15

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投稿者:石堂淑朗 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 中身を飛ばしタイトルだけを論じるという建て前の書評の集合体の書評はいかに在るべきか、あれこれ悩みながら読み進んでいくうちに殆どを読み尽くしてしまった。殆ど、と書いて全部と書かないのは口惜しいから全部の少し手前でストップしたからであるが、その殆どは実に面白かったのである。

 読みながら色々と考えた。掌中の一冊『哲学以外』というタイトルは、私と同世代には必ずや出隆『哲学以前』を連想させないではおかない筈であるが、扨、その中身となると思い出すのにちょっと時間が掛かる。ややあってそうだった、あの本はソクラテス以前の、断片でしかその著作が残っていない連中のことを扱っていたことを思い出すのである。万物は流転すると言ったヘラクレイトス、物質の最小単位として原子の観念に到達したデモクリトスといった名前が芋蔓式に想起され、同時に若い頃の諸々の記憶が蘇るのである。かくして『哲学以外』は瞬時にして回春の書物と化すのである。何と言う功徳。

 本のタイトルとは一体何なのか。漱石の『我が輩は猫である』は書き出しをタイトルにした迄である。そもそも漱石は題名に凝らない作家で『彼岸過ぎまで』も『それから』も果たして「わが我が輩はタイトルである」と主張する資格があるのかどうか怪しい。しかしユダヤ教の経典『トーラー』の各書は全て書き出しがそのままタイトルになっているから、若しかしたら漱石はその事を知っていたのかも知れない、などと考えるのである。多少面識があった吉行淳之介さんはタイトルに凝りに凝った思しい。出世作『驟雨』、『砂の上の植物群』(これはパウル・クレーの絵のタイトルだが)、『闇の中の祝祭』、『暗室』、『鞄の中身』など、いずれも直ぐに記憶に留まる。私は活動屋だから映画の題名を付ける作業に何度も参画した。今回消失してしまった松竹大船で働いていた頃の先輩大島渚は題名発明の才に長けていた。私が助監督を勤めた長編第一作『青春残酷物語』は当時売れていた『日本残酷物語』のもじり、彼と共同でシナリオを書いた第三作の、松竹を飛び出す原因になった『日本の夜と霧』は松本清張の『日本の黒い霧』のほぼ完全な頂き、という具合に時流に乗じる才能には抜群のキレがあった。思うに本の題名と内容との関係には俳優の顔と演技力とのそれに似た所がある。先ずは売らねばならぬ。石原裕次郎が先ず顔で売れ、演技がそれらしくなったのは後の事であった。本もやはり題名が勝負、とにかく本の前に立ち止まらせ、手に取らせねばならない。魅力的なタイトルには、本は著者と読者の共同作業で始めて完成することを熟知している優れた編集者の存在を思わせる。タイトルだけで書評という人を食ったアイデアを提案した著者に、すぐさま賛同したこの本の編集者は、著者と同じように偉い。映画はプロデュサー、本は編集者である。 (bk1ブックナビゲーター:石堂淑朗/脚本家 2000.08.03)

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紙の本

カラー写真が読む気を誘う

2001/03/11 18:20

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投稿者:つる - この投稿者のレビュー一覧を見る

 この本は様々な本のタイトルについて中身とは関係なくつづったエッセイである。そして登場した本は背表紙からの写真と前からの写真が載っている。簡単な説明付きで、読書欲をそそる。
 筆者は「教科書が教えない歴史」という本のタイトルについて「教科書というものはもともと何かを教えないものなのではないか」と鋭くつっこみを入れている。
 またタイトルだけでなく本の値段にもつっこむ。4494円はちょっとまじめすぎる、とか。本好きにはたまらない一冊。

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紙の本

路上観察者の、本の見方

2001/06/15 13:47

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投稿者:TGW - この投稿者のレビュー一覧を見る

 作家なのに本を読まない赤瀬川氏。作家なんだからと書評の仕事がよくくるが、読まないんだから書きようがない。編集者のあまりの熱意に、「タイトルだけで書くなら…」と言ったらそれが実現してしまいました。その月の新刊リストを見て、タイトルに興味のある3〜4点の本について、装丁・タイトル・ぱらぱらめくった感じで書評を書く。もちろん内容と関与しない書評(?)が多く、結果的にエッセイ調になっているのが面白い。でも振り返ってみてみると、ちゃんと書店でも売れたり話題になった本が多いのがオドロキです。さすが文豪、目の付け所がいい。

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