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紙の本
7月27日今日のおすすめ
2000/11/14 12:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:bk1 - この投稿者のレビュー一覧を見る
■乱歩忌■
今日は、江戸川乱歩氏の命日です(1965年、7月28日、脳出血のため自宅にて逝去。享年70歳)。彼が、ポーを始めて読んだのは1914年、二十歳の時。そして筆名を「江戸川乱歩」に改めたのは二十八歳の時でした・・・。
■編集者コメント■
ミステリーは、『モルグ街の殺人事件』によって始まると言われている。『黄金虫』『黒猫』『盗まれた手紙』『アッシャー家の崩壊』など、この分野の原型となる作品をほとんど書いている元祖エドガー・アラン・ポー(1809−1849)。この巨人の作品は、江戸川乱歩は有名であるが、そのほか夏目漱石、森鴎外、谷崎潤一郎、小林秀雄、平塚らいてうなど日本の作家・知識人に多大な影響を与えたことは、意外に知られていない。
本書は、明治20年、読売新聞に掲載された『黒猫』の初の翻訳から、最近の評論『マラルメの「大ガラス」が生まれるまで』の翻訳書、研究書などを踏査し、ポーが日本にどのように移入されたかを克明に辿った初の受容史。ほかに「世界文学におけるポー」、ポーの足跡を辿った「ポー紀行」、110ページにおよぶ詳細な書誌を付す。
(彩流社 茂山和也)
紙の本
近代日本文学に大きな影響を与えたアメリカの作家
2000/07/10 20:49
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:小池滋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
19世紀アメリカの小説家・詩人エドガー・アラン・ポーの名は、日本でもかなりよく知られている。その名の音を拝借した江戸川乱歩という探偵小説作家もいたくらいで、ポーが近代的ミステリー小説の世界最初の創造主であるという説(これには異論もあるが)は、かなり一般的に認められている。
その他に、わが国にはアメリカ文学の研究者が多くいるし、ポーの専門家も少なくない。比較文学の研究者の中にも、ポーを扱った人がかなりいる。ポーについての日本人の手になる論文は数えきれぬほど。ポーの翻訳全集もある。
このように、日本におけるポー研究は大変な盛況だが、これまでの受け容れられた情況を徹底的に調べ上げた労作というと、私の知る限りでは本書が空前──そして、おそらく絶後ではなかろうか。
二段組みで720ページにも及ぶ文字通りの大著で、その内容のほとんどは細かい事実の網羅であるから、よくよくポーに深い関心を持つ熱心家でないと、読み通す気にはならないかもしれない。しかし、専門の学者はもちろん、研究機関、図書館、大学などはぜひ備えるべき文献である。巻末の日本における書誌(112ページにも及ぶ)だけでも、利用価値は高い。
内容を簡単に紹介することは不可能事であるが、あえて試みると次のようになる。
序 日本におけるポー研究史
第一部 ポーと日本の出会い
日本で初めてポーの名を知り、その作品を原文で読んだのは誰か、いつのことか。
日本語でポーの名が初めて活字で紹介されたのは、明治14年5月27日付『東京日日新聞』に載った「詩人金を借る策」という小記事とのこと。
日本語によるポーの作品の最初の翻訳は、明治20年11月3日と9日付『読売新聞付録』に連載された「西洋怪談・黒猫」で、訳者は饗庭篁村(あえばこうそん)とのこと。ところが不思議なことに、ここには原作者ポーの名が出ていない。なぜかはわからない。訳文は完全な意訳で翻案に近い。
第二部 ポー作品の翻訳史
第三部 ポー批評および研究史
ラフカディオ・ハーン、上田敏、永井荷風、夏目漱石、西条八十、野口米次郎、日夏耿之助、そして、もちろん江戸川乱歩と、名前を見るだけで日本文学史上の巨星ぞろい。
第四部 文学者に及ぼしたポーの影響
森鴎外、岡本綺堂、谷崎潤一郎、芥川龍之介、三島由紀夫、大岡昇平まで、これも名だたる人物が並んでいる。 第五部 世界文学におけるポー
第六部 ポー紀行
著者がポーゆかりの地を訪ねた記録。 著者がポーに捧げた情熱は、文学研究者や教師だけでなく、一般の読者をも感動させるに充分である。 小池滋(bk1ブックナビゲーター:英文学者 2000.7.11)
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