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紙の本
訳文は読みづらいけど、面白いフランス・ミステリ
2000/11/05 00:04
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:松谷嘉平 - この投稿者のレビュー一覧を見る
■「一人四役」という空前のトリックを用いた『シンデレラの罠』で有名なフランス・ミステリの奇才による第三作(1966年)。昨年、復刊されたとき新たに付された連城三紀彦による解説が、非常に力のこもった良いものだったので読んでみました。
▼夫婦で旅行に出かけた雇い主に回送を頼まれた新車サンダーバード。それを勝手に拝借してしまったダニー・ロンゴは未だ見たことない海へと向かって、一路南仏へ。途上、何者かに襲われ利腕の左手を負傷した彼女に、更に事件が降りかかる。何と、車のトランクには見知らぬ男の死体が入っていたのだ。そして、行く先々で出会うのは、自分としか思えない女と出会った人々。自分は気が違ってしまったのか?そして殺人者なのか?
■正直言って訳文が読みづらい。こう言うニューロティックな話は「わけがわからない」という状態自体を「分かりやすく」伝えなければならないと思うのですが、本当に何が起こってるか判然としないんです。これは同じ訳者の『シンデレラ』の訳文にも多分に言えることだと思いますね。フランス・ミステリが、あまり日本で読まれないっていうのには、そういうところが一因になってるってことはないでしょうかね。原文自体、かなりテクニカルでひねった文章でしょうから、訳すのが大変なんでしょうけど。
■と言っても結末は本作の方が腑に落ちます。極めて異様で、不可解な謎が、ヒロインに不安をもたらしていく展開自体は魅力的ですし、真相も見事に物語を反転させて、合理的な解決に至るという非常にパズラーとしても優れたもの。
■翻訳でのマイナス面があって多少読むのに苦労しても、そういう味を楽しみたい方は読んでみてはいかがでしょうか。まあ、「連城作品を読んでればOK」っていうことも言えないではないですが。
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