紙の本
鬼才の圧倒的なカリスマを前にして、ひざまずく
2005/03/15 17:01
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投稿者:綾丸 - この投稿者のレビュー一覧を見る
故寺山修司のこのエッセイはスゴイ。なにがスゴイって、この人は「悪」を肯定しまくる。そして時代遅れで古くさい「善」をバッサリと一刀のもとに切り捨ててしまう。だがしかし決して不快ではなく、そのメリハリが小気味よくさえあるのだから、よくよく魅力的な人物である。個人的に石川五右衛門が対話の中で語る泥棒哲学が好きである。
ちなみに、当時このエッセイが出版された後、著者の家を訪れる家出人の数が増加したという。いやはや…。
紙の本
出てみてわかる「家」の意味
2002/06/17 03:38
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投稿者:アセローラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
家出をすすめるなんて…と思ったのですが読んでみると納得です。家を出ることによって自分を作っていかなければならないのだと…。今の時代にこそ必読な一冊だと思いました。現状に不満を抱いていて、この本のタイトルにピンとくるものがある人はぜひ読んでみてください。
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最高。寺山修司最高。なるほど大人の反抗期。というか、なるほど大人の軽い社会への反逆。軽いというのがポイント。その軽さが、かっこいい。
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なんとなく世の中がつまらない、しかし、どうつまらないのかがいまいち良く分からない。そんな時は、寺山修司を読みましょう。探している答えがここにはきっとあります。というか僕にはありました。
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土の匂いのする文章・・・というと妙かもしれませんが、少し不器用な感じ、けれどその語彙の面白さ、パワーにぐいぐい惹きつけられます。とくに竹本良次の薄暗さに(笑)。本当にどこにいらっしゃるのですか。
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(1994.08.21読了)(1983.07.03購入)
現代青春論
内容紹介 amazon
書を捨て、街に出よう--若者の未来の自由は、親を切り捨て、古い家族関係を崩すことから始まる。「家出のすすめ」「悪徳のすすめ」「反俗のすすめ」「自立のすすめ」と、現代の矛盾を鋭く告発!(竹内 健)
☆寺山修司の本(既読)
「人生なればこそ」寺山修司著、大和書房、1967.10.01
「幸福論」寺山修司著、角川文庫、1973.01.30
「書を捨てよ、町へ出よう」寺山修司著、角川文庫、1975.03.10
「誰か故郷を想はざる」寺山修司著、三笠書房、1984.03.15
「さらば箱船」寺山修司著、新書館、1984.08.25
「母の蛍」寺山はつ著、新書館、1985.02.15
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本書での寺山修司のよいところは、投書に対して一定の評価をしたあとにその他欠点について論議するところで、この始めに評価し後から修正点を話すのは日本的だそうなのですが…この順序によって寺山のセンスを理解したのち、そのセンスにしたがって世俗を構成するしがらみを分解、解析しエッセイの一つの形ができているなと感じます。大抵の本はそうなのかもしれませんが、独歩型な作家はそう書いてくれるとありがたいんですね。本来の「祭り」は、自分の役割を忘れることにある…。
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高校生か、大学生の頃に購入。
親から自立するのが大人になる第一歩と考えていたんだな。ただ、家出まではどうか?と思っていたような気がする。
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「『捨児』になったのだと気づいたときには、母はもう炭鉱町で酌婦をしていた」と語る寺山修司。精神的乳離れのできない若者へ「家を出よ」と励ましている言葉は、母への慕情を断ち切るための自らへの奮励でもあったのだろう。一日一回は怒れといったり、悪口をいうのが好きだといったり、耳目を集めるどぎついことを撃ち放ち、その後で経験と熟考と鋭利なセンスで論を繰り広げていく。これを27歳で書いたことに驚く。そして「桎梏」という語の多さよ!「家出」に反語はないと述べていたが、「桎梏」こそが反語ではないかと思った。そして「家出」の同義語は「自由」であると「涙ぐむジル」以降を読んでいて思った。このあたりは哲学的でもあり(観念的難解さをもつ部分が全般的にわりとある)またじっくり再読してみたい。