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理系知識がないとそれなりにつらい本だった。ただ科学の面白さはちょいと感じたり。しかし、意味不明。いつか再読したい。以下参考になったアマゾンのレビュー。
本書では,科学革命のプロセスが,「従来のパラダイムによっては説明ができない状態の出現」→「学問の危機に対する自覚」→「若い学者,または,新たにその分野に参入した学者による新しいパラダイムの発想」→「新しいパラダイムに対する少数の賛同者の出現」→「従来のパラダイムの信奉者からの攻撃と反論」→「若い学者の新しいパラダイムへの改宗」→「新しいパラダイムによる教育の開始」→「科学革命の実現」という図式によって,詳しく説明されている。
本書は,科学史に革命を起こすものとなりました。しかも,以上のように,科学革命の歴史から,科学革命を起こす方法を明らかにしている点に本書の第3の特色があります。
本書を読めば,科学革命は,一人でも起こすことが可能であり,科学革命を起こそうと思うのであれば,革命後に,新しいパラダイムがどのように教育されるかを念頭において戦略を立てる必要があることが理解できます。
もしも,現在の学問が危機的な状況にあると感じている人があれば,学問の変革は一人では何もできないとあきらめ,その状況を放置すべきではありません。愚痴をこぼしていても何も始まりません。何よりも,まず,現在の危機的な状況を打開するための新しいパラダイムの発見に努めるべきです。そして,そのような新しいパラダイムを発見したら,その賛同者を得るために,そのパラダイムに関する論文を執筆しつつ,新しいパラダイムが勝利を得たときの状況に思いをいたすべきです。
その時には,「すべての専門家が再び1つの今や全く異なったパラダイムの下に仕事を始め」(179頁)ていることでしょう。そのときに,必要とされるものは,次代を担う学生に,「例題とペンと鉛筆で,あるいは実験室の中で行なうこと」によって,新しいパラダイムを理解させるための適切な「例題を伴った教科書」の執筆でしょう。
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現在の学問に飽き足りない点を感じている人,現在の学問に対して危機感を感じている人は,本書を読めば,科学革命は不可能でないし,人任せにすべきではないことが解るでしょう。
本書を,現在の学問に不満を持ちながらも,改革に踏み出すことをためらっているすべての人に薦めたいと思います。
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科学の構造を捉える。
補章で弁解はなされているものの、たしかにパラダイムの定義に難点あり。
しかし、本書で「通常科学」とされるものがとる構造、科学的進歩についての考察、および科学者集団としての在り方を考える上で重要な著書であることは間違いないだろう。
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非常に眠くなりますが、目的意識を読めば重要な一冊となりえます。科学哲学とかやりたいなー、って思ってる高校生大学生は夏休みにでも挑戦してみるのも一興かと。純粋な意味での「パラダイムシフト」とは何でしょうか?/長かったです。補章はあまり注意深く読みませんでしたが、中盤の9~10章のあたりは注意深く読みました。
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図ってだろうが、作者自身が科学史のパラダイムシフトをやってのけた本作。
相当にハイレベルな内容(循環論法に陥っているのかとさえ一見思える)であり、かつ挑発的。
学問を生業とする人たちにとって強烈な自己認識を迫ったであろうし、今もその力に衰えはないと感じる。
これで多分3回目の読了だと思うが、また立ち返って読むことになるだろう。
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通常科学が魅惑的なパズル解きであること、たとえばパラダイムから予測されることを確認する方法がないときなど。目を覚まされるような議論が続く。元の文章がそうなのか意味が取りにくいとこがある。
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物事に対する考え方・認識が根本から変わってしまうことがあります。これが「パラダイム・シフト」と呼ばれる事態です。科学哲学者トーマス・クーンは、科学における革命的な変化について研究し、パラダイム・シフトが起きる時にはどのようなことが起きるのかを明らかにしました。今回の文献では、パラダイム・シフトについて、自然科学(物理学)における科学革命を事例に学びます。
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パラダイムという概念を知らしめた元祖。
本書は社会科学書籍の中でも優れた名著であるといわれている。科学史から科学というものを解き明かそうとし、規定の枠(パラダイム)から転換することによって科学革命が生まれることを探っている。
規定の枠組み、要は教科書通りしていたら、新しいことは生まれないぜっということを筆者は伝えたいんだと思った。そういう今までの科学史からみたときの疑問点を読者に投げかけたいのだと考えられる。
本書は非常に読み応えたっぷりで、一読しただけではまるっきりわからないだろう(私もその一人)。何度も何度も読み解く中で深く思考していくことが試される一冊になっている。余談であるが、本書の中での「パラダイム」という言葉が非常に濫用されており、わかりづらいことこの上なくなるが、そういったことも踏まえて「古典」なのではないだろうかと思う。
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科学者ですら、立証できないことがある。
出ないリスクには対応できない。
科学には効用もあれば副作用もある。
科学技術の進歩に十内、科学的知識は行動に細分化し、複雑化してきた。科学技術の避けられない負のリスクに対して、正しい知識が必要になる。
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難解な書であるが、科学の進歩の中でのパラダイムの位置づけ、その既存パラダイムへの挑戦が起こることで、新たなパラダイムが形作られることを語った古典。また数年後に挑戦して読んでみたい。
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・革新的なものは、予測に反するという困難の中から、抵抗を受けながら現れてくる
・専門化が進んでくると、科学者の視野を制約する
・変革者はふつう通常非常に若いか、その分野に新しく入った人間であり、古いパラダイムの正解観やルールに深く埋没されていない人である
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科学史に限らず、〇〇史を直線的に捉えようと何かとストーリーをこさえがちなことを教えてくれる。
最近の歴史修正主義やフェイクニュースの見方にも応用できる内容である。
と思ったらそんな考えを最後に否定される(笑)
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米国の科学史家トマス・クーンによる科学哲学の古典であり、後に通俗化した「パラダイム」という用語の原典でもある。本書によればパラダイムは、その後の科学研究の方向を決定づける研究業績のことである。
パラダイムが成立するとその規範の中で研究が進行するが、そのパラダイムの下では説明できない変則性が生じてパラダイムに「危機」が生じると、それを解決するべく新たなパラダイムが生み出される。この、あるパラダイムから別のパラダイムへの移行過程を「科学革命」と呼んでいるようだ。それに対して、あるパラダイムの下で営まれる科学を「通常科学」と定義付け、これを「パズルを解く」ことになぞらえている。
本書は著者の論的であるポパー派を意識して書かれている。科学を累積的進歩の過程だとするポパー派に対して、クーンは上述のような断続的変化を想定している。これは20世紀の進化論におけるドーキンスらが主張する累積的進化と、グールドらの断続平衡説との論争を想起させる。クーン自身も明示的に自身の理論を進化に比喩しているが、その際、進化を進歩と捉えている点が興味深い。
著者は物理学から科学史に転向した経歴をもち、論の展開は歴史的事実にもとづいていて、総じて実証的である。訳は今ひとつの部分がある。また、これは原書に由来するものであろうが、文体は難解で緻密・厳密であり真剣に読むとかなりの労力を要するように思われる。
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20190403
科学哲学の古典中の古典。
あらたな事実=革命が理論へ昇格することで、その時代の科学理論のスタンダード=パラダイムは放棄される=シフトする。
科学哲学としても、当時科学者へのインパクトは高かったと思料するし、物事の考え方の基礎としても常に持ちたい考え方である。
解釈が多種多様にある中で、その選び取り方=思考様式は、新たな事実が発見され理論化することで変化するのである。むしろ、変化に対して開けていることが、進歩への道である。自分の理論を持ちつつも、新たに開く姿勢は失わないでいたい。
//MEMO//
パラダイム理論で有名な本。
革命の構造、つまり定説の例外を1つ見つけて古い理論を壊し、新しい概念を打ち立てること。
思考方法を深くする読み方をすることはもちろん、科学史としても読みたい本。
科学=反証性に開かれていること
通説、通常科学=パラダイム
科学理論の積み上げで、帰納法的に統一されて広まっている説
⇄1つの例外が発見されることでパラダイムはシフトする=科学革命
科学の性格=パラダイムの性格
①事実の観察
②事実と理論の調和
③理論の整備
通常科学のパラダイムがゆらぐ
①通常科学が結局勝つ
②他のルートが生まれる
パラダイム=知覚概念の必要条件
パラダイムシフト=解釈が変わるだけではない。
=二元論的に対象があり、見方が変わるだけでなく、見方が変われば観察手法が変わり解釈が変わる
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[関連リンク]
『科学革命の構造』はスゴ本: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2014/02/post-f2bc.html
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「科学」って、絶対的で普遍的で、
常に不動の価値基準を与える・・・
そんな風に妄信していたのは、子供から
大人になる手前まで。
科学ほど普遍性のないものはない、というのが
この本の要約になると思います。
どんどんなされる発見や偶然の産物によって、
科学の「教科書」はどんどん書き直されていく。
間違ったって、いいんだ。そのとき正しいんだから。