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コルテスによるアステカ征服について書かれた本。アステカの征服について興味のある人は最初はこの本を読んだほうがいい。
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(1977.02.11読了)(1977.01.31購入)
副題「征服された黄金の国」
*本の帯より*
原史料と現地踏査によって描いた夢の黄金王国の繁栄と滅亡
太陽神と黄金の平和郷アステカ王国(現メキシコ)は独特の文化を持ち豊かな生活を営んでいた。しかしその平和はスペイン人たちの侵入によってあえなく崩れ去った。恐るべき宇宙観を持ち、湖上に浮かぶ壮麗な首都の大ピラミッドでは毎日多くの人たちが犠牲に捧げられていた不思議な国である。この王国に挑んだスペイン人たちの冒険と王国の激しい抵抗と滅亡の歴史を、スペイン語の原史料と現地踏査によって鮮明に描き出す。
【目次】
黄金国を求める者たち
征服者コルテスの登場
姿をあらわしたアステカ王国
夢の都テノチティトラン
コルテスの決断
悲しき夜
英雄の敗北と死
古代メキシコの諸文化について
メキシコ古文化図解
年表
あとがき
※メキシコ
「メキシコの青春」北川民次著、カッパブックス、1955.10.01
「マヤ文明」石田英一郎著、中公新書、1967.03.25
「メキシコ民芸の旅」利根山光人著、平凡社新書、1976.07.08
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コルテスのアステカ遠征は総督の許可を得ていなかった、現地人にはアステカの圧政のためにコルテスに協力するものも多かったなど、「1521年にコルテスがアステカ帝国を滅ぼした」という教科書の単純な記述だけではわからない複雑な歴史がここにある。とくに極悪人としか思っていなかったコルテス像がかわった。
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割と新書の初期の本は読みづらいといった
先入観が付きまといますが
そういった違和感は感じませんでした。
スペインの侵攻を受けた
古代アステカ王国のことについて書かれた本です。
スペインと古代アステカ。
宗教観の違いをすごく感じました。
そして彼らの滅亡までの記録。
彼らは未知の国のものの「欲望」により
滅び去りました。
まさに悲しみ。
ですが運命はスペイン側にも
被害をもたらしました。
コルテスは一種の使い捨てにあったので。
すごく不思議な国なものですね。
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古代アステカ王国がどのようにして征服されていったかが書かれています。
一応、アステカ王国の成り立ちも書かれていますが、基本的にはコルテスたちにどの様に征服・蹂躙されていったかが書かれています。
ぼんやりとしか知らなかったこの辺のことでしたが、やはりこの当時のキリスト教と白人はほんとろくでもないんだなということを再認識。
黄金のことばかりですね。
そして、アステカの王様のいい人…というか、いい人過ぎて搾取されちゃう感じが可哀想です。
アステカの戦士は強いですが、近代兵器や、中米に居なかった馬などの秘密兵器の前にはどうにもなりませんね。
戦闘も途中途中でアステカ側の大勝利の直前までは行くんですけどね…。
生贄の儀式を行っていたアステカ王国ですが、それを行わないと宇宙が壊れてしまうからと信じていたというのも興味深かったです。
テスカトリポカという戦争の神へ捧げるものだったようです。
今の視点でどっちが「蛮族」と呼ばれるべきなんだろうとは思ったりもします。
アステカ王国も帝国主義的に領土を広げ奴隷や生贄を集めていますし、スペイン(というかコルテス)も黄金を手に入れるためにアステカ王国の内側に入り込んで取れるものはなんぼでも奪ってしまえですし。
今の視点で裁くべきではないというのは当たり前の話なのですがね。
なかなかに興味深い本でした。
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趣味で初めて買った歴史本。アステカについて何も知らなかったから、フムフムと。宗教というか信じるものがあると人はそれが正義だってなっちゃうんだろうな。もしアステカが捕虜をとる戦い方じゃなかったら、スペイン軍は負けていたわけで、ここでも宗教的な差が出てくる。面白かった。
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解説書と小説の中間のような文体で非常に読みやすかった。
ただ経緯を示すだけでなく、スペインアステカ両側の思想が説明されているのも面白い。
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古代アステカ王国、と題打ってはいるものの、実質はスペインからの征服者コルテスの視点で描かれる半分小説形態の異文化交流紹介といったところだろうか。人によっては読みやすいと感じたり、求めていたのはこれじゃない感に襲われたりするだろう。色々興味を惹かれる点は多かったが、私は宗教的観点の違いに着目した。
征服者コルテスは、異文化に悩みながらも、黄金溢れるアステカ王国を切り取ってゆく。その際、彼は大きく異なる文化や思考に戸惑うことになる。それはアステカがこれまで閉ざされた世界で一つの宗教を信じてきため、どうしても完全なる外から現れたキリスト教を自分の定規で測ってしまうことから起きたことであった。キリスト教はヨーロッパの様々な宗教を駆逐してきた歴史から、異文化には理解がある。この二つの視点の違い、とくにアステカ側の無理解が現代の日本にも通ずるところがあると感じされられた。
日本人にとってもっとも欠けている能力は、宗教に対する理解であるとよく言われている。現代ではオウム真理教の事件があったり、歴史的にはキリシタンが迫害されたりと、宗教には否定されてきた背景が日本人にはあったからなのだろうが、国際化(という名の西洋化)を図ってゆく昨今、宗教関係に対する理解は命題といっても過言ではあるまい。しかし、この本を読んだ時、私自身アステカ人のような他の宗教に関する無理解がなんとなくわかる。おそらく、閉じた世界ではどこも似たような思考に陥りがちなのだろう。私は日本固有の思想を批判するわけではないが、同時に世界を理解するという姿勢を持つことも重要であると深く思わされる一冊であった。
以上、あまりネタバレにならない範囲の感想でした。結構、頭のおかしい(これも異文化を理解できない私の限界なのだろうが)アステカ宗教は興味を引くので、事実を述べ続ける教科書が苦手な人でも手にとってはどうでしょうか。
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コロンブスが大西洋を横断し、西インド諸島へ到達して以来、スペインは各地の島々に植民地を建設、先住民は農園や鉱山の労働力とされ、一方で力と大望を備えた荒くれ者達は一転大金持ちに。16世紀、世はまさに大航海時代!
そんな弱肉強食の世界で、密林の奥深くに眠る黄金郷を信じて、富と名声を求めて海を越え、密林の奥深くに足を踏み入れた男たちがいた。その名はエルナン・コルテス。熱帯雨林の強行軍の果てにコルテスらが見つけたのは、巨大な水上都市だった…。
などと書くと、カッチョいい冒険物語のようだが、実際はコンキスタドール(スペイン語で、侵略者の意)による、血なまぐさい先住王国征服の物語。
コルテスは、当時ほぼ未開拓だったメキシコ地域を征服するという野望を抱き、上官の命令を無視してカリブ海のスペイン植民地から征服隊とともにメキシコへ上陸した。
一方、当時のメキシコにはアステカという強大な王国が存在した。巨大な湖の上に浮かぶ、4つの橋で対岸と結ばれたアステカの首都テノチティトランでは、古代より受け継がれたある伝説に基づく儀式が行われていた。その伝説とは「毎日神殿の頂上で太陽神に生贄を捧げなければ、太陽は昇らなくなり、この世界は終わりを迎える」というもの。
アステカ神話には、絶対神が2種類登場する。ひとつは太陽神、もうひとつは人類の創造主で、白い肌の神ケツァルコアトル。遥か昔の神話の時代、アステカ人は太陽神に生贄を捧げていた。生贄の供給がストップすると、太陽神がエネルギーを失い、世界が永遠の闇夜に包まれると信じていたためだ。
しかし白い肌の創造主ケツァルコアトルは「生贄だなんて野蛮な儀式はやめなさい」と人類に忠告した。アステカ人は苦悩した。「太陽神と創造主、誰に従うべきか?」。彼らは太陽神に生贄を捧げ続ける道を選んだ。自らの息子、娘であるアステカの民に裏切られたケツァルコアトルは、大きな船に乗って、東の彼方へ去って行った。彼は言い残した「私を裏切った者への復讐のために、私は必ずここへ戻ってくるぞ」。
時は流れて16世紀、アステカは大繁栄を遂げていた。農業生産量も、技術も、軍事力も、周辺諸国を遥かに上回っていたアステカは、強大な軍事力をもって頻繁に周辺国と戦争を繰り返した。しかしアステカの望みは領土でも財宝でもない。生贄である。アステカの戦士は敵を生け捕りにする技術に長け、戦争を起こしては生贄を確保していた。蛇の生殺し状態にされた周辺の小国にすればたまったものではない。しかしアステカ皇帝モクテスマは、自国の栄光は太陽神の守護の下で永遠だと信じていた。
そんなある日、モクテスマのもとに急使がやって来た。彼は告げた。「ケツァルコアトルが大船に乗って、東の海から帰ってきました」。
一方そのころ、メキシコの海岸に到着したコルテス一行は、現地人の集団に取り囲まれていた。銀色の鎧兜に長剣、石弓、火縄銃で武装した彼らの姿は現地人には奇怪に映るらしく、物珍しそうな眼が一行を見つめていた。すると先住民の中でも豪奢な服を着た高官らしき者が数人現れ、恭しくこう告げた。「���くぞいらっしゃいました。皆様への歓迎のしるしに、生贄を捧げたく存じます」。
コルテスらは「なんと残酷な!生贄など必要ない」と反駁した。すると高官らはなにやらヒソヒソ言葉を交わす。表情はくぐもっている。
「生贄を拒否するとは、間違いない、ケツァルコアトルが復讐のために帰ってきたのだ」。
モクテスマは決意した。「ケツァルコアトルの軍勢を受け入れよう。彼らをテノチティトランまで案内せよ」。
コルテス一行はテノチティトラン入城を果たした。兵士たちは息をのんだ。「間違いない、これこそ黄金郷だ!」。そして、破滅への秒読みが始まる……。
こんな書き方をするとエンターテインメント要素の強い本のように思われるが、実際読んでいて面白いから仕方がない。スペイン、アステカの苦悩、周辺諸国、これら3者の拮抗や思惑、日本人にとってはなかなか理解しがたい独特の宗教体系や歴史などが、物語形式で非常に分かり易く描写されているため「アステカってどこにあるの?」というところから知らねばならない人でも呑み込みやすく、アステカという世界に興味を抱けるように作られている。実際、読んでいて何度手に汗握らせれたり、「そうかなるほど」と膝を打たせられたことか…。ロシア語専攻の学生である私でさえ、これを読んで以降、アステカとその文化、言語に興味を持ち始めるようになったのだから、その点は保証致します。
若干ネタバレになるが、後半のスペイン軍とアステカ軍の戦闘の描写は圧巻。アステカという神秘主義的な世界の物語だけあっておどろおどろしく、なんだかファンタジー小説の戦闘シーンを読んでいるような気分にさせられる。
一読した身としては、歴史が好きな人よりも、小説好きな方におススメしたい。この一冊を通してどれだけアステカという世界に、その歴史に没頭してくれるか、この本を愛読した身としては興味のあるところ。
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