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照葉樹林文化 続 東アジア文化の源流 みんなのレビュー

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みんなのレビュー3件

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紙の本

日本の文化風習がどこから来たのかの議論で、「あの」ツァンポー溪谷が一気に身近になった本

2016/07/24 17:19

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:大阪の北国ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る

『照葉樹林文化』(以下『前書』)の続編という書き出しで始まるが、前書が上山春平先生の司会のもと、今西錦司先生グループの先生方フル出場(梅棹先生ほかは除く)のいわば「概論的」位置づけであったが、本書では同じく上山先生の司会のもと、農業起源論の大御所 中尾佐助先生と 焼畑をはじめ雑穀・稲作文化の第一人者 佐々木高明先生が 日本の基層文化について専門的な掘り下げた議論を展開され、こちらは「専門課程」という趣きである。
前書は1969年、本書が1976年のシンポジウム記録であるから、7年間に積み重ねられた研究の成果も伺える。続編とは言え、前書を読んでいないと理解できないということはなく、本書だけでも充分面白い内容である。
本書では順にヤムイモ・タロイモ・バナナの起源、シソ・エゴマの伝播経路、イネの品種分類と栽培起源、ジャポニカ・インディカライスの伝播などから、日本人や東アジア人のモチ種雑穀への好みへと議論は展開していく。こののち、納豆・蒟蒻・茶などの食物に続いて、アジア地域における牛や馬の分布、絹・絹の洗剤ムクロジ・漆・カジノキ・鵜飼・歌垣など工芸・習俗・民俗などへも「アジアのなかの日本文化」という観点から話題が進む。そして全体として、東南アジア北部の照葉樹林帯が熱帯林と接する湿潤地帯のど真ん中に、イネ・ダイズ・アズキ・ヒエ・ソバなどの起源地の集中する「東亜半月弧」を設定し提唱した。
以上は一般的な書評だが、本書で特に面白かった点を2点紹介すると、
1.植物の分布のほか、牛の分布に着目。インドのこぶ牛、ジャワ・ミャンマーなどにいる原牛類、インドと中国南部にいる水牛等、インドアッサムあたりが中心となり、多種の牛が分布していることに注目し、次の如く地形的要因を特筆している。「インドからブラマプトラの谷をずうっと入ってロヒットの谷をつめ、その谷を越えると雲南の高原に入る。雲南高原からは川沿いにこんどは東南アジアへも中国へも拡がっていけるという、なにか地形的に扇の要みたいになっていることも重要でしょうね(佐々木先生)。イネのばあいに非常にその辺を重要視してるけど牛でも同じことで(中尾先生)。」と雲南のサルウィン・メコン・長江の三江並流地点の意義と重要性を採り上げ、ヒマラヤやアラカンの障壁を越えられないヒトやモノが、すべてこのルートを通り収斂・拡散していったのではないかとの推論を立てていられる点。三江ではないが、地理的にはキングドン・ウォードの著したツァンポー溪谷にも近く、その旅行記や植物採集記が描いた地域にも繋がっていくストーリーであり、佐々木先生の雲南高原のフィールドワークと並んで、これから是非読んでいきたい書物だと思った。
2.十五夜とイモ祭りのくだりで「焼畑では雑穀とともにイモが作物としてかなり重要視されているということもあって、イモ祭りというのがあります。十五夜の月見の行事などがそれです。・・・その日にはイモにお供えものをするとか・・・(佐々木先生)」。私はてっきり十五夜は、豊穣を願って満月に 丸いイモやモチ・ダンゴを供えるのかと思っていたのだが、イモが祀りの対象であり、供える物ではなく供えられる物であったとは、目から鱗が落ちたような話だった。
というように、中尾・佐々木両巨匠によるシンポジウムは前書にも劣らない「名講義」であり、自分自身の新たな発見に満ち溢れた名著書であった。これは面白い。

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2011/04/04 06:50

投稿元:ブクログ

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2012/08/07 14:40

投稿元:ブクログ

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