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一応、「哲学と科学の相補性」を強調してはいるものの、随所の表現やニュアンスから哲学の優位性を誇っていると思しき点が垣間見れ、そのような哲学者的態度を批判しているにも関わらず、同じ所に着地しているのが何とも言えない。
ただ、このようなスタンスはまあ理解できなくもないので、自戒を込めて読める点ではあった。
ただ、付録の「哲学と個性」という小論では、「個性的である『哲学』に学問性はあるのか。文学との違いは何か」ということがテーマとなっているが、これに至ってはもうよくわからなかった。
「哲学は存在の原理に触れているから共感を呼び普遍性を帯びる」というようなことを言われても、何をどう理解してよいのかわからなかった。
これは端的に「古い本だから」で終わらせられないような根深い問題が潜んでいるような気もしないでもないが、それが何かはさっぱりわからない。
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ベルクソンの哲学などの研究をおこなってきた著者が、科学と哲学の違いと両者の関係について語った講義を収めた本です。
著者は、哲学と科学の両者が、それぞれどのような営みであるのかということについて考察しています。科学は、それぞれの専門とする分野におうじて、世界の現象を実験や観察を通じて解明し、その分析をおこないます。これに対して哲学は、この世界の存在全体を対象とし、直観と反省を通じてその本質を明らかにする営みだと著者はいいます。
さらに、この両者はたがいに相反する側面をもちながらも、相補的な関係にあると著者は主張します。科学はその対象とする現象を明らかにしていくにあたって、存在全体へ目配りしながら理論的な反省をおこなうことが求められます。他方哲学も、存在全体について反省をおこなうためには、個別的な現象についての認識を踏まえることが求められます。こうして両者は、それぞれの探究活動を推し進めていくさいに、相互の立場のちがいを乗り越えることが必要になるのです。
時代の制約もあるのでしょうが、科学と哲学が競合する、認知科学などの領域に対する目くばりがなされていないということもあって、本書で語られる科学と哲学の関係は古典的なものに思えてしまいます。