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紙の本

国会は犬か猿の寄り集まりと兆民は揶揄したが。

2010/07/22 09:14

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:浦辺 登 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 小泉三申こと小泉策太郎という人物を中心にして、明治から昭和にかけての政治の世界、日本の状況を知ることができる。小泉三申は伊豆の下田に近い寒村に生まれ育ち、地縁も血縁も何も無い中で政界に打って出た男である。叩き上げの生涯を描くことで、彼の周辺に蠢く政治の裏側を知ることができる。三申という号は生まれたのがサル(申)の年、日、刻が三つ重なったからついたという。
 世の中には、「某先生伝」「男爵某伝」などという評伝が多いが、そのほとんどは聖人君子として描かれ、ヨイショの連続で虫歯が疼きだすほどである。さほど多くの聖人君子を抱えた日本が世界の指導者になりえていない現実を見れば、政治家、軍人の評伝ほどあてにならないものはない。
 そんな評伝にピシリと鞭を入れるのが、本書の主人公である小泉三申である。

 本書の中で興味深いのは、政党政治を嫌い、自由民権者を憲兵まで駆使して弾圧した山縣有朋と小泉三申が接触、あまつさえ、山縣を利用しようとしていることである。その目的は、背景は何なのか、策士と呼ばれた小泉三申の思考には理解が及ばない。
 さらに、政界においては国権派でありながら、幸徳秋水、堺利彦、中江兆民という左派との関係、影響があることである。この弾圧されるべき人々との関係がありながら、官憲の捕縄をくぐり抜ける技は何だったのか。
 これは小泉三申という人物の評伝の形にしながら、その実、当時の政治世界の裏面を描いたものである。政治世界の裏側というタイトルにしても単なる評論にしかならないが、評伝に事件を絡ませると場面が臨場感を帯び、面白さが増してくる。これは、著者の作戦勝ちかと思いながら読み進んでいった。
 混迷する民主党政権を有権者としてあれこれ観察しているが、およそ100年前の政治世界も離合集散、切り返しの連続であったことに笑うしかない。政治とカネが問題になるが、この当時も京浜銀行事件という政治資金流用があり、なかなか賑やかだ。そういう場面を見ると、人間はいつの時代も、サル(申)の寄り集まりでしかない。

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