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タイム・パトロール みんなのレビュー
- ポール・アンダースン (著), 深町 真理子 (訳), 稲葉 明雄 (訳)
- 税込価格:556円(5pt)
- 出版社:早川書房
- 発行年月:1979
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文庫
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紙の本
「正しい歴史」とは?
2001/11/11 05:24
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投稿者:トリフィド - この投稿者のレビュー一覧を見る
「タイムパトロール」。今やすっかりおなじみになってしまった概念である。過去に干渉して正しい歴史をねじ曲げ、望みどおりの未来を作ろうとする時間犯罪者を捕まえ、時間犯罪者の歴史への干渉の痕跡を抹消するタイムパトロールを扱ったストーリーは数限りなく存在し、映画やマンガ、テレビドラマにさえ出てくる。ドラマの中で、謎めいた人物が、「じつは、ぼくはタイムパトロールなんだ」と云えば、それ以上の説明がいらないほどだ。
さて、『タイム・パトロール』というストレートな題名を持つこの連作短篇集は、時間テーマSFのスタンダード的作品である。しかしこれは、時間犯罪者が次々と起こすさまざまな犯罪をタイムパトロールが取り締まるストーリーを、ただ連ねただけというような単純な作品ではない。
タイムパトロールは歴史の修正に対し、「正しい歴史」を守ると云う。だが突き詰めてゆくと、ひとつの大問題に突き当たる。すなわち、「正しい歴史」とはなにかと云う問題だ。この作品は、この問題に対し真正面から取り組んでいる。
タイムパトロールものを扱った作品は、本作が書かれる前から数多くあり、のちにもたくさん書かれている。しかし単なる娯楽活劇の枠を越えて、過去の修正という問題に対してシリアスな考察を加えたSF作品はこれが嚆矢である。
だいぶ話がカタクなってしまったが、この作品がSF小説として面白いことはもちろんである。また、本作を知ることで、他のタイムトラベルテーマの作品を見る目も変わるのではないだろうか。
SFを読むもの皆にお勧めしたい。
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