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アガサには珍しい、
冒険ミステリーかつ、主要キャラクターが不在の
作品です。
とにかく終始、騙し、騙しあいの関係があり、
読んでいて非常にはらはらさせられます。
それと意外に目立たない人物が
後半部分になると思わぬ主要人物になるので
結構見逃せませんでした。
そして最後は…
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久々にクリスティを読むなど。
スパイ物ってそんなに気になるジャンルではないのだけど、すっと内容が入ってきて、ドキドキワクワクするのはさすが!
主人公が流されるだけじゃなくて、自分で選択する強さを持ってるのも好ましかったです。
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著名な科学者たちの失踪、ZE核分裂を発明した男、それを追う妻、その男の前妻のいとこ、子供に死なれ夫とも別れ死のうと飛行機に乗る女性、燃える飛行機、なりかわり、砂漠の山中の謎の施設、謎の富豪、諜報部員、場所はロンドンからカサブランカ、さらに奥のフェス、そしてアトラス山脈。
最初ちょっと退屈だったが、ヒロイン・ヒラリーが出てきて、ZE核分裂発明者の妻に成り代わった所からがぜんおもしろくなった。謎の人物6人と変装しての旅、危機一髪のところは必ず脱出し、異国を彷徨う登場人物たち。着いた先は巨大な秘密施設。施設の設置者の目的もどこかマンガチック。でも映画にしたらけっこういけるんじゃないか。けっこう007なんかはこの手のストーリーのような気もする。
クリスティの思想がかいまみられるセリフが興味深い。
「キリスト教は女性を愚か者にしてしまったんですよ。か弱さや、しおらしげな服従を、女の徳義としてあがめたりしてね」かと思うと、科学者にアフリカの現地人を「要するに隷属民族なんですよ。すぐれた民族に奉仕する役に立つだけでしかないのよ。」と言わせているがヒロインには「それは少し過酷じゃないかしら」と言わせている。
1954発表
1977.8.31発売 1983.9.15第8刷 図書館