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「童話史にのこる不滅の童話(全3巻)」の2。「アレッサンドリアの長老が 行方不明のむすこが帰ってくるという予言の日に もよおした宴会で 奴隷たちが語った4つの物語 「若いイギリス人」「アルマンソールの話」など そして 宴会は意外な結末をむかえる」(カヴァーより)。私が最初に親しんだハウフ作品と同じ塩谷太郎訳です。子ども向けの本の体裁を取っていますが、ちゃんと「ルビ付き」で、大人も子どもも楽しめます(総ルビ大賛成、については、また別などこかできちんと記しますね)。これも「枠物語」です。「童話のおもしろさは、その中にとけこんで、作中の人物やふしぎな魔法や妖精などといっしょに暮らすことだ」とはハウフの言(解説より)。これは(魔法や妖精を括弧に入れれば)、すべての「創作」に通用することではないでしょうか。伝記・自伝やノンフィクションとて、そこに書かれている出来事が検証可能な限りにおいて「事実」であるというだけ(敢えて暴論を吐くなら)で、やはり語られ書かれたものである以上は、物語る人の創造力(想像力)によるものであるはず。奥付に「小学生上級以上向」となっているこの書に対して、私はどうしてこんなにむきになっているのでしょう、可笑しいですね。笑って許していただきたいと思います。