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紙の本
明治、大正の世相を知るには読みやすい一冊
2010/03/02 08:15
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:浦辺 登 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この明治、大正の世相を著わす一冊を読み進んでいて、現代と何ら変わらない世相に驚くやら、感心するやら、ほくそ笑むやらだった。
極めて記憶の良いと評される著者であるが、語りを筆記させていたとのことで、やはり間違いも散見される。これは勝海舟の『氷川清話』にもいえることではあるが、ただ、この時代の雰囲気、庶民がどのような考えを持っていたのかを知るには参考になる。
このなかで、明治の時代、日本と清国(中国)、朝鮮がとても仲の良い関係であったことが記してあったが、残念ながら、日清戦争に戦勝したことから日本人の中に清国(中国)を蔑む雰囲気が生じてきており、現在のように情報というものが潤沢でない時代であったことから誤解が生じた結果と思う。
さらに、関東大震災において朝鮮人が暴動を起こしたという噂から朝鮮人狩りが行われたりしているが、これも明治の末年に伊藤博文が暗殺されたことによる恨みから、朝鮮人の反発を恐れたものと思う。
多岐に、長い年限のことが綴られているが、日常の会話に英語の単語が混じっていることに感心し、木村屋のパンが漢字表記のためにどんなパンなのかわからずに苦労したが、たとえば「木の葉パン」というものを調べればジャムパンと分かって、それはそれで、新しい驚きが増えて面白かった。あんパンは丸、ジャムパンは木の葉形にして区別していたとか。
いずれにしても、この見聞史を読んでいると、人間の営みは今も昔も根本的には変わらないと思った。
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