紙の本
ダラダラ
2001/01/18 14:27
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:白井道也 - この投稿者のレビュー一覧を見る
若者の三種の神器である「セックス・ドラッグ・バイオレンス」がダラダラと散らばっている風俗小説。たいした筋立てもなく、ダラダラ。群像新人賞と芥川賞を受賞した1976年には、その無軌道な若者像がとても目新しかったのだろう。もちろん2001年の読者には内容の目新しさなどないのだけど、この小説を読む価値が減じているわけではない。
ダラダラ感を強調する表現方法で面白い点がふたつある。ひとつは、ドラッグの摂取や乱交を含むセックスの描写がひたすら即物的なところ。善でも悪でもなく、好感も嫌悪感もない。そうするしかない、選択する気力もない、というダラダラ感。もうひとつは、一部の会話のシーンで“「」”が使われていないところ。布に描かれた絵が水気でモワーっと滲んでいるような、あいまいな地の文と会話分。これも、ダラダラした時間の流れを強調している。
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▽福生の米軍基地に近い原色の街。いわゆるハウスを舞台に、日常的にくり返される麻薬とセックスの宴。陶酔を求めてうごめく若者、黒人、女たちの、もろくて哀しいきずな。スキャンダラスにみえる青春の、奥にひそむ深い亀裂を醒めた感性と詩的イメージとでみごとに描く鮮烈な文学。群像新人賞、芥川賞受賞。
1994/01/11 NK伯母から
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エロエロエロ。それを乗り越えるとなんだかよくわからない世界に。最初は人物の見分けがよくわからなかったりするけど、読みすすめていくうちにそんなことはどうでもよくなる。
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ちょうど私が小学校の5年生ごろ群像新人賞受賞で世間を騒がせたぐらいだったのか、普段はあまり小説を読んでいる姿を見た事がない母でさえも手にとっていたのがこの作品で、それが最初の出会いです。
もちろんその時はこの物語の良さなどはわからずに、とにかく母に見つからないようにそっと本棚に返した事を覚えています。それから数年後に再会した時に私の一番のお気に入りとなりました。多分、今でも一番好きな作品をたったひとつだけと言われたら選んでしまうんだろうなと思うほど。レビューでは単行本を表示していますが、ハードカヴァーの方が作品のイメージに近い雰囲気が感じられます。
福生の米軍基地周辺で暮らす怠惰で無気力に生きる一群の若者を描いた問題作 けれど私はそこに横たわる何ともいえない静寂とした佇まいに惹かれます。それは主人公のリュウとその仲間や黒人たちとの日夜繰り広げられるドラッグパーティーだったり騒々しい野外ロックフェス、電車内で目にする暴力などではなく、リュウの目に映る年上の女性「リリー」の存在に象徴されるではないかと思ってます。
物語を読んでいる間中、そして本を閉じ終わってもジム・モリソンの歌う水晶の船のフレーズが響いていて、あの雨の日の深夜のドライブでマニュキュアがとれなくて気持ち悪いと繰り返し言う彼女の顔が思い浮かぶからです。
この小説が好きな方は機会があれば失敗作と言われた映画も見て欲しいなと思います。私は各シーンの印象が脳裏に強烈に焼きついてたので、欠落してる部分は埋めながら見ることが出来たし、何より主演の中山麻里はリリーのイメージに近い美しい女性だったと思うからです。
リリーへの手紙−あとがき(一部引用)
小説を本にするという話があった時、装幀をやらせて欲しいと頼んでみた。だって俺はこれを書きながら、もし本にできるならリリーの顔で表紙を飾ろうとずっと思っていたんだから。リリー、今どこにいるんだ?4年前だったか、一度ハウスに行って見たけどいなかった。この本をもし買ったんなら連絡してくれ。
こんな小説を書いたからって、俺が変わっちゃってるだろうと思わないでくれ。俺はあの頃と変わってないから。
リュウ
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村上龍の自伝的小説らしいが、どうかな、あまり興味がないことばかりで面白くない。あとがきには社会的事件とか書いてあったが今の時代とは隔世の感を覚える。あくまでも当時の話として読む必要がある。☆二つの理由は最後の20ページ程度の主人公に関する表現はなかなか面白いと思う。それ以外は無駄だ。
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この人の本で私が一番最初に買った本、感動したり悲しかったりして泣く事はほとんどないのですが、この本を読んだ時は泣けた。この本を読んだことがある人はわかると思いますが、どうしてこれを読んで泣けたのか未だにわかりません。ただ、この本をきっかけに村上龍にハマったことは確かです。
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ベースの近くに住んでデンジャラスに暮らそう!! 独特の言い回しが脳を刺激する。いろいろ体験してると深いトコまでわかるかも。
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村上龍の作品の中では、一番多く読み返した。どこが好きなのかを尋ねられたら困るけど、全体から滲み出てくるロックの空気が好き。
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「海の向こうで戦争が始まる」のあとに読んだ。こちらの方がまだ自分の生きる世界に近い気がしたが、ドラッグや性など、やはり村上龍氏の作品は小娘どころかただのガキんちょには難しかった・・・。
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題名が気になって、図書館で借りた本です。「限りなく透明に近い」ものは、レッドでも、グリーンでもなく、ブルーだよな、と勝手に納得してました。今考えると、内容は中学生にはちょっと刺激的すぎたかもしれないですね、途中で放り投げてしまいました。でも、読み切れないのが悔しくて、高校になってから再チャレンジして、(理解したかどうかは置いといて)何とかクリアしました。「強烈」という言葉が、これ程似つかわしい作品を僕は知りません。人物、設定、言動、どれをとってもエキセントリックで、それでいて嫌悪感を催さないのが、評価される理由じゃないかな、と僕は思います。
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この人の本で私が一番最初に買った本、感動したり悲しかったりして泣く事はほとんどないのですが、この本を読んだ時は泣けた。
この本を読んだことがある人はわかると思いますが、どうしてこれを読んで泣けたのか未だにわかりません。ただ、この本をきっかけに村上龍にハマったことは確かです。
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オーディションで懲りたのですが、まだまだ希望を捨てずリベンジです村上龍。えっと、オーディションよりは数倍面白かったです。最初はいまいち入り込みにくいんだけど、1回中に入っちゃえばあとはスピードの流れに乗るだけで、とてものめり込んで読むことができました。内容的には好き嫌い別れるんだろうなぁ…ドラッグ、乱交、暴力、リスカ。挙句の果てにバッドトリップで発狂。それにしても最後らへんリュウが発狂するシーンなんかは、本当にのめり込めました。すごいハラハラした。ハラハラすると同時に、リュウになって狂ってる自分もいた。あの全編に流れる重くてちょっと酸っぱいような空気はものすごい。少し龍の魅力がわかった気がします。それにしても、主人公の名前がリュウってことは、自伝的小説なんだろうか。
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はっきりいって気持ち悪い。エログロ、生々しくおぞましい。なのにふと手にとって読んでしまう。同じ感想を持つに違いないのに。
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この人、反米なのか逆なのか謎です。村上龍は5分後の世界ってのを最初に読んだのだけど、この作品のテーマは、それにちょっと似てるなぁって思いました。で、どっちなんだろ。なんだかんだ言いつつ、アメリカ好きそうだよな。
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すき。これで、村上龍が好きになった。中身はSEX、ドラッグ、暴力。とても醜いのに
最後はとても綺麗。