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紙の本
赤羽末吉さんの美しい絵と今西祐行さんの誠実な語りによる『源平絵巻物語第四巻木曽義仲』を通して、義経の人物像や生き様に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
2005/01/24 19:08
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投稿者:まざあぐうす - この投稿者のレビュー一覧を見る
源義経を中心に描き、語られた源平絵巻物語の第四巻は、『木曽義仲』です。義仲は、頼朝や義経の父である源義朝の弟・源義賢の息子です。義朝と義賢の兄弟は仲が悪く、領地のことから戦を起こしています。
第四巻は、義朝が、弟である義賢の住む武蔵の国・大蔵の館に攻め込み、火を放つ場面から始まります。その時、二歳になったばかりの義仲は、炎の中で泣き叫んでいました。
斎藤実盛という義朝の家来が、燃え盛る炎の中から義仲を助け出します。燃え盛る炎が一面に描かれて、命からがら義仲を助け出す実盛のただならぬ有様が感じられます。
助けられた義仲は、乳母の夫である木曽の中原兼遠に預けられました。兼遠は、源氏の血を受けた孤児として義仲を大切に育てます。伊豆に流され、北条時政の庇護を受けた頼朝、鞍馬寺に預けられた後、藤原秀衡に守られた義経…義仲は、三人の中で最も苦労が少なく、大事に扱われたのではないかと言われています。
義仲の妻である巴御前の勇ましさ、自分の出世のために大事な息子である義高を頼朝のもとに人質として差し出す義仲の冷徹さが表情豊かに描かれています。
くりから峠での平氏との戦いで、義仲が牛の角に松明をつけて、平氏の軍に放ったことは有名ですが、平氏の武士や馬が谷になだれるように落ちた後の様子が、昔の本からの引用で「谷はうずまり、おかになった」と語られていて、戦いの後の無惨な有様が語りと絵の両方から感じられ、悲しみをそそります。
くりから峠で平氏を討ち破り、都で「朝日将軍」と呼ばれた義仲のその後は、史実の通りのあっけない最期を迎えます。後白河法皇と頼朝にあやつられたとは言え、義仲の生き様は、単純明快です。
頼朝の元で娘の大姫と仲良く育った義仲の息子義高は、自分の娘である大姫が慕っていたにも関わらず、頼朝の命令で殺されます。頼朝の冷徹さの矛先は、後に腹違いの兄弟である義経に向かいます。
義経の生涯をくきやかに語り描くために、兄の頼朝といとこの義仲を語ることは必要不可欠な要素ではないでしょうか。
赤羽末吉さんの美しい絵と今西祐行さんの誠実な語りによる『源平絵巻物語第四巻木曽義仲』を通して、義経の人物像や生き様に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
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