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平安文学に触れる際、避けて通れない歌物語。
色んな恋物語が入っていて面白い。第六段で女性を奪って逃げる話で、草におりた露を白玉かと問うくだりが好き。あと、「花橘」。香りは思い出を蘇らせる。
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「昔、男…」からはじまり、その「男」は、在原業平と推定される。
もちろん全てが在原業平だとされるわけでもないし、
在原業平についての事実だということでもないが、
多くの人が在原業平に思いを寄せつつ読んだ物語である。
男は、情が細かく、雅で優しく、友情にも篤い。
三十八段「君により」は、在原業平と推定される男と、
紀有常のやり取りの話。
紀有常は在原業平の「友だち」である。(十六段より)
在原業平は平城天皇の皇子・阿保親王の五男。
在原業平は紀有常の娘を妻とし息子棟梁をもうける。
有常の妹である静子は文徳天皇に嫁ぎ、惟喬親王をもうけている。
「男」という抽象的な表現でありながら、
二条の后(高子)と清和天皇と在原業平のことが語られたり、
具体的な「紀有常」の名前が登場したり、
物語に仮託してこれらの人物の関係が描かれるのが面白い。
各段ごとに、原文、現代語訳、語釈、補説、という丁寧な構成。
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さらりと読めると思いきや意外と時間がかかった。詞書のような短い章段もあれば贈答歌が二つ、三つとある長い章段もあって、原文を読んでから現代語訳を読みつつ原文を読み、飛ばそうと思ってたけど語釈を読みながら原文を読み、解説を読んでた。教科書に載っていた章段もあって楽しめた。二条后高子との宿命的な恋物語の章段は創作らしいがまるで『トリスタンとイズー』のようで切ない。上巻の最後の章段に清和天皇の御代に伊勢の斉宮であった恬子内親王との許されざる恋物語をもってくるとは。下巻が読みたくなる仕掛けになっていることよ。
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一度はちゃんと読んでみようと思い読み始めた。上巻はから衣や、筒井筒など。高子や斎宮との話は、次々に読みたくなりますね。
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教科書によく出てくる「伊勢物語」のフルバージョンです。読んだことがある話、「こんなのもあるの?」と驚く話、「なんだかなー」な話…。タイトルが和歌の初句になっているので、最初「?」かもしれませんが、読めばご存じの話はわかるでしょう。