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第70回芥川賞受賞作品。
《幽明》
という言葉をそのまま抜き取ったような気分に襲われた。
ひとりの男が辿りついた雪に閉ざされた山間の村で過ごす、村人たちとの暮らす日々。
それはこの世の出来事なのか、この世の出来事ではないのか。
ふとした描写が時に鮮明に、時に不気味に、時に新しく感じられた。
日本人ならではの感性とそれを受け取れる日本人ならではの感性ではないかと思います。
のんびりとした時にもう一度読みたい作品です。
(2009.02.14)
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第70回芥川賞。
東北のさびれた部落を訪れた主人公がそこでひと冬越す話。
密造酒やミイラなど村ならではの習慣や、念仏や無礼講などのお寺ならではの行事が描かれているが、どれも薄暗く、気味悪い雰囲気が漂ってるのは、雪に囲まれた部落の印象が強いからか。
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月山を訪れたことはないけれど、方言の美しさ、方言でこそ生まれ得る表現の手触りの良さに酔いしれた。ちょうど大晦日から新年を迎える日付の変わる時に、海を渡る船が新年の汽笛を低く伸ばしながら鳴らすのを聞きながら、この話を読んでいた。
雪景色の美しさ、雪の冷たさ。田舎の人々の優しさや素朴さだけではない強かさまで、しっかりとしたリアリティをもって描かれている。
月山をこの目で見てみたい、と思った。
短編で入っているカモメの話が好き。
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『月山』は第70回芥川賞受賞作ですぅ~。
んー、私としては『鳥海山』の方が面白かったけど。。。。
っていうか、作品自体ちょっと私には難しすぎた。。。っ。
芥川賞ってこんなもんなの???
んー。
作者が旅したものを基に書かれた作品なんだけどね~
なんか秘境の地っていうか、
時代がとまってる地っていうか、、、
景色のことやら、地形、天気とか書いてるわりに
イマイチ、ピンとこないのよね~。
私がバカなだけ???
ま、芥川賞受賞作ってことで読んだことに意義がある。
と思うことにしよっ。
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私には難解な内容でした。書き方は落ち着いていて、表現も伸びやかで心地よかったのですが、日本画で書かれた風景のような淡白さが辛くなっている自分がいました。
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月山はずいぶん前に読んだ小説だ。中学生ぐらいか。今回、読み直して見て、ほとんど内容を覚えてなかった。
東北弁で綴ってあるので、意味はとりにくいが、何となく不思議な世界だ。
極限の世界では、ちょっとした日常が、非日常であり。
とにかく年寄りばかりの村である。想像してみてください。
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なんとも静かで心にずしーんと響く。非常にビジュアル的で尚かつ心情的、するりと話しの中にひきこまれていって心鷲掴みされてしまう。山形の山は深い。再読。
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久しぶりに再読。独特の世界観が芥川賞にふさわしい(?)。山形県民にとって月山・鳥海山には特別の想いがあり、近年、それぞれの山に登り、駆けため、実感を込めてその自然描写を味わえた。「月山」の長い冬から一気に花咲く春を迎えるワクワク感に、どこか寂しさを伴うのは加齢のせいか。。。
「それはすこしも変わらぬ月山でありながら、この世のあかしのように対峙していたあの鳥海山が、もはやまったく見えぬというより、なきがごとき気すらする別世界をなしているということかもしれません(p24)」