紙の本
ほのぼの
2021/08/30 11:26
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:owls - この投稿者のレビュー一覧を見る
湯たんぽに化けるキツネに癒されます。のんびりとした、やさしいおもしろさに、ほのぼのしました。ラストの展開はちょっとびっくり! やっぱり、馬場さんの絵は懐かしい雰囲気で、あたたかくて、いいなあと改めて思いました。
投稿元:
レビューを見る
山に一人で住む五助じいさんのもとに、こぎつねがやってきます。このこぎつねは五助じいさんになつきはなれずにいるので、コンコンと呼ばれ一緒に過ごすようになりました。そうしているうちにきつねらしさをなくしているコンコンを気にかけた五助じいさんは、化ける練習をするキツネたちに頼み、化け方を教えてもらいます。お役人に化けるきつねたちの中、コンコンが化けたものは・・。
五助じいさんがコンコンを気づかうようすが心に染みます。こんなやさしいはなしが本当にあったらいいなあ。
投稿元:
レビューを見る
湯たんぽにしかばけることができない子きつねがとてもかわいい。最後のおちにはおもわずくすっと笑ってしまいました。
投稿元:
レビューを見る
馬場のぼるさんの作品の『11ぴきのねこ』シリーズ以外のお話も読みたくなり、きつねにまつわる作品ということで惹かれて購読してみた作品です
山の中でつつましく生活する五助じいさんのもとに、一匹の子きつねがあらわれて、仲良く生活をするようになります
しかし、子きつねは五助じいさんの真似ばかりしていて、どうもきつねらしくできないので、じいさんは心配し、きつねのへんしんの稽古をしているご年配のきつねのところに、子きつねを託すことにしました
しかし、子きつねはへんしんをどうしても上手くできず、他のきつねたちに笑われてしまうのでした…
シンプルで柔らかく、ほのぼのとした絵柄の馬場のぼるさんの絵本ですが、こちらには11ぴきのねこシリーズにはない、仲間外れと悲しみの物語があり、そしてその悲しみは、おじいさんの優しさと、それがもたらした思いがけない出来事で癒されてゆく展開に笑顔がこぼれます
子きつねは、へんしんがまったく達者でなく、五助じいさんにまつわるあるものにしかへんしん出来ないのですが、そのあるものに変身した姿がとても可愛いのです
五助じいさんがすごく好きなんだと良く分かるその姿が、とてもいとおしいです
でも、個人的には五助じいさんと子きつねは、ずっと一緒に暮らして欲しかったんですが…そ、そういう展開!? と驚く側面もありました
でも、一人前のきつねとして、変身の技をもってひとり立ちすることを、この作品はよしとしてるんだな、という解釈をしました
本文中のおはなし文と絵の台割がごくシンプルで、常に左側が本文で右側が絵、という構成がまたいいですね
物語の本文中には描写されてない、絵の中の背景に描き込まれたおじいさんの小屋の中の様子や、秋の花が咲き乱れる丘の頭上の月、大きな食堂の店先、お金持ちのおうちの大きな門のある庭先…
絵の魅力もたっぷりで、お話もほっこりと優しい、素敵な作品です
投稿元:
レビューを見る
きつねが出てくる絵本。それだけで読む価値がある。
本作は『11ぴきのねこ』で有名な馬場のぼるさんが描いた作品です。ひょんなことから五助じいさんと暮らすことになったきつねのコンコン。他のきつねに比べて変身するのが苦手で、役人さんに化けようとしてもしっぽの生えた湯タンポになっちゃう始末。はてさてコンコンとおじいさんの行く末は?
シンプルかつやわらかい線で描かれたきつねたちが可愛いです。語りの柔らかさも手伝い、何となく常田富士男さんの声で(日本昔ばなしのナレーションの人)で再生しながら読みました。他のレビュアーさんもおっしゃっている通り、最後はそっちに行くの!? コンコンも五助じいさんもそれでいいの? とは思いました。けどこの絵本を読んでいてもうひとつ思い出したのが『ドラえもん のび太の恐竜』で、あの作品ものび太とピー助が仲睦まじく暮らし、共に成長する様子を描きながら、ピー助が、そしてのび太が自立するために、お互いにとってもっとも「良い場所」を探すお話でした。きっとこの作品もそのことを描こうとしたんだろうなと、そんな風に思いいたり、やさしい気持ちになりました。
一番好きなページはコンコンとおじいさんが木陰で一緒に昼寝するところ。コンコンにとって湯タンポは、誰かを癒す象徴だったんだね。