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フェル博士シリーズ
17年前、戦争中に雷鳴のなる中転落死ししたヘクター・マシューズ。現場には彼の婚約者イブ・イーデンしかいなかったがナチスにより事故死とされた。17年後スイスで同じような状況で転落死したイブ。友人の娘オーロリー・ページとイブと交友を阻止してほしいと頼まれたブライアン・イネス。ホテルで再会した2人。オードリーに恋するイブの再婚相手の息子フィリップ・フェアリー。イブのバックに入れられた硫酸入りの香水の瓶。イブの夫デズモンドとオードリーの関係。
2002年3月3日購入
2011年6月18日再読
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みんなが嘘ついたり(犯罪とは関係ないのに)、話を途中でやめたり、自称探偵が根拠ない思い付きを大声で喚いたりすることで話をかき回し、引き伸ばしているだけ、って感じ。『盲目の理髪師』みたくスラップスティックをねらってるわけでもなさそうだし(実際面白くないし)。
特にオードリーがいらいらする。めんどくさい女だな。アラサーなんだからもっと落ち着いて振舞えよ。あんたがヘンな陽動しなければ、この犯罪は起きなかったでしょう。
動機も破綻してるような。本来の目的は、イヴと離れたかったってことなんだから、殺して済むんなら、そもそも恋愛沙汰やってみせる必要ないし(そしたらオードリーもイネスも巻き込まれなかった)、殺しちゃったらその後のお話は不要。てことで、物語が成立しないのであったw
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今回、本作品を読んでカー作品の賛否の分かれ目という物を発見した。
カーの作品はまず、字が多い。つまり登場人物間の問答場面が長いのだ。ここで読者は苦痛を強いられる。従って場面転換も少なく、余り躍動感はない。
私にとって全ての作品がそうなのだが、では何処で賛否が分かれるかというと、やはり最後の真相、ここでどれだけ驚かされるか、カタルシスが得られるかに他ならない。
果たして本作はどうだったのか?
それは上記の通りである。