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狂人日記、孔乙己、小さな事件、故郷、阿Q正伝、家鴨の喜劇、孤独者、藤野先生、眉間尺が載っていた。特にお勧めは故郷、孤独者、阿Q正伝、孔乙己である。訳本だからか、すごく読むのに時間がかかった。
「阿Q正伝」:阿Qは村の社に住み、村人が忙しい時に手伝いをして、生計を立てる貧しい人であった。喧嘩は弱いが、プライドだけは高く、いつか村人達を見返してやろうと思っていた。ずいぶん投げやりな人生に感じ、言い訳をつけたりしながら、自分で自分を守る彼。しかし、彼は村の人はあまり外へ出ないのに対し、城下の町へ行ったりしていた。
この本では改革だと、声を上げても、実体、中身のない改革で何も変わってはいない。という事も暗に述べている気がする。
最後阿Qは泥棒の嫌疑をかけられ、死刑にされる。村人達は銃殺されたのは彼の悪い証拠だ、悪くなかったらどうして銃殺されることがあろうかとみんな言った。まるで御上の言う事は全て正しいのだ。と、何も疑問に思わない事も、問題視しているのではないかと思った。
阿Qはどこか間抜けで、憎めないところがある気がする。彼は悪かったのであろうか。
しかし、よく庶民を愚民にしたような作品を書いた魯迅は、当時よく処罰されなかったものだなと思う。
「故郷」:大人になって子供の頃仲の良かった手伝いの子と、久しぶりの再会を楽しみにしていた。しかし彼は目から輝きが消えた大人になっていた。身分、立場の違いが、何も知らない子供の頃のように、無邪気に隔たりなくつきあう事を妨げた。しかし、彼らの子供は、彼らの子供の頃のように、隔たりなく仲良く遊んでいた。まるで自分達の子供の頃のように。そして、彼らの将来、時代の繰り返し、大人になってからの再会の失望を想像させられる終わり方だった。
孤独者:
09.05.13
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おもしろそうなタイトルなので選んでみたが合わなかった(こればっかり)。
イヤな気分になる話だった。ちょっと芥川っぽい。
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たぶん当時の時代背景などをもっと詳しく知れば興味深い作品なのだろうが現状での知識ではなんとも難しい。
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教科書に載っていた『阿Q正伝』を家で読みたくなって購入。
しかし、途中で寝ちゃうんですよ。
8年か、もしかしたら10年くらい前に買ったような気がするんだけど、何度も船漕いでたな…
また気が向いたら読みますよ。
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阿Qを通して、中国の民衆や革命を批評している。
ストーリーが淡々と始まり、淡々と終わっているので名作である所以がなかなかつかめずに終わってしまった。
わずかに、独特の世界観が窺えたが、その起伏の無い展開が狙いと松岡正剛氏は千夜千冊の中で述べていた。
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歴史的な書を電子本で。
中国について、改めて考えさせられる。階級や貧困などテーマは奥深い。
歴史的な背景を考えずには読めない。
読んだ印象は、時代を経て変わっていくのかもしれない。
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4月30日読了。魯迅の名作だがはじめて読むことができた。態度は卑屈だが内面で「精神的勝利」をおさめる阿Qの栄光と転落の物語。無学で根拠もなく尊大な態度を取る阿Qもそうだが、周囲の顔色をうかがい自己保身のために偉い(と、自分が判断した)者にこびへつらう阿Qの周囲の人々も、中華人民の典型と言えるのではないか・・・?原文が中国語だからか、ウェットでない突き放したような文体が印象的。
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人間の世界なんてこんなもの。
大きな枠組みの中で翻弄される小さなコミュニティー。その小さな枠組みの中でで翻弄される個人。革命ってなんだろう?思想ってなんだろう?人の優劣って?当時の中国の様々な人間社会の問題を淡々と描いている。でもそれは人間社会の普遍的な問題でもあるのかもしれない。なんて思ったり。
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狂人日記。悪夢のような自己暗示にかかっている。その時代、その状況によっては、ありえない思い込みとも言えない。
故郷。親、子の第と重ねて描かれている。そんなさみしさに、次は出会わず済むといい。ずっと同じ目線で。
阿Q正伝。うらやましくなるほどポジティブだ。しかしその楽観的な部分が彼に禍をもたらす。その気性により彼は混じり気なく彼らしく活き、そして終わりを迎える。ここまで一貫して活きられるなら、それもユニークで芸術的な生き方だ。
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中学のときに、言葉にできないほどの衝撃を受けた阿Q正伝。久々に手に取ってみたのですが、なぜか凡庸な作品に思えて、読書中ほとんど高揚しませんでした。
なぜなんだろう?大人になって繊細に行間よ読み取れなくなっているのか? 中学生の感受性は揺り動かしても、大人にはきかないのか?
世界の魯迅大先生の作品ですから、僕の読み方がよくなかったのかもしれませんね。
阿Qの他にも、狂人日記/藤野先生など名作と評判の高い作品も収録。
ただ、どの作品も文学的感動は皆無といった感じでした。
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太宰治「惜別」を読んだので「藤野先生」も読もうと購入。
面白さでは「眉間尺」が一番ですね。日本の常人の発想では書けない小説です。
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文学史で魯迅を扱ったときにどんな話なのか気になっていて、やっと読むことができた。
途中で、あれ?と頭が展開についていけなくなることもあったがそのまま読んでしまったので消化不良気味。
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阿Q正伝を含む9作品を収録。
支那では、昔から人肉を食す戦争文化があるらしい。
読んでいて、楽しい気分になる本ではないなあ。
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読みました。
時代背景と中国史に関する自分の知識が浅く、内容を楽しむレベルまで届かなかった。要再読。
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自由気ままなその日暮らしを送る阿Q。後先考えずに好き勝手やった揚げ句、わけもわからぬまま時流に乗って「革命」を唱え、わけもわからぬまま処刑されてしまうという救いようのない愚か者の話。
魯迅は1881年生まれの中国人だけど、マスコミや世論に流されやすい現代日本人への警鐘とも読める。
中国現代史やに疎いので、どう読めばいいのか(革命翼賛?反革命?)戸惑ったりもしたけど、巻末の解説にある程度助けられた。
表題作のほかには、「小さな事件」というエッセーと、「故郷」という短編がよかった。