紙の本
人生の書
2013/06/07 21:38
4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ニシヤン - この投稿者のレビュー一覧を見る
私の学生時代の友人に能をやっている友達がいました。それ以前からね日本の伝統文化に興味があったので、ずっと何かしら畏敬の念をいだいていました。
能の世界に「風姿花伝」という書物があるのは知っていましたが、古文の授業の成績が悪かった私は、とっつきにくかったのですが、あるとき、本屋さんでこの本を見つけて、思わず買ってしまいました。この本は、芸能論であるが、また同時に人生論だと思います。これからも座右において、時あるごとに読み返していきたいと思います。
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「この花は真の花にはあらず。時分の花なり」
…若いだけで華やかな時期を戒めた言葉。忘れられない言葉です。
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今から600年前の室町時代、観阿弥・世阿弥親子によって著された世界最古の体系的芸術論書。
基本的に能芸論なので難解だが、その卓越した洞察は人生論としても現代に通じるほど素晴らしい。
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訳者が「花伝書について講義をする度に新しい発見がある」を言っているが自身もそう感じることがあった。
この本は学生の頃に教えていただいたものであるが5年後の今、再度読んだらまさに、新たな発見という感じだ。
自分自身の考え方を決める上での大事なことが書いてあって、自分の今までを振り返ったり今後の事を考えたりしたらドキドキしてしまった。
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全く古さを感じさせない、芸への眼差しに驚く他無い
現代語訳・解説もついているのでとても読みやすかった
一度の読み通しだけでは花や幽玄の本質を自分には読み解けないので
これからなんども眼を通して行きたい
最近この本の能面表紙を枕にすると良く眠れることに気がつきました
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せっかくの丁寧な解説や現代語訳にもかからわず、私にはちょっと難解でした。
ですが、演技論や「花」に関する記述は面白く、演劇や芸術活動をしている人にとっては、もっと面白いのではないかと思います。
世阿弥の著作だとばかり思っていましたが、お父さんの観阿弥の主張を世阿弥が書き留めたものだそう。さらに面白いことには、ずっと秘伝にされていたもので、発見されたのは近代なんだそう。秘伝書ですからねぇ・・。ってことは、この本のようにとても面白い、すごい本が秘されたまま世に出ずに、その権利をもった人だけに語り継がれている、という本もたくさんあるのでしょうね。
まさに「秘すれば花」か。
この本についで『隠れたる日本霊性史 古神道から視た猿楽師たち』(菅田正昭著 たちばな出版)という本を読んでいますが、おかげで世阿弥や能楽についての世界が深まりました。オススメです。
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やりすぎは良くない。出来すぎも良くない。周りを立てろ
よく行っていた、魚料理屋さんの大将に紹介された本です。
大将にアドバイスされていることが書いてある本でした。
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能楽とは生きた芸能で、それゆえ花と表されて常に同じではない。
一つの芸術論をこんなに深く読み込んだのは初めてで、本当に目の覚めるような思いでした。
ひかえめにただ美しく、心に絶えず働きを秘める。
そんな生き方をしたいものです。
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曰く、
「能とは、戦国の武士達があらゆる芸能をさげすむ中、唯一認めてきた芸事だ。それは幾多の芸能の本質が既に、決定された物事を繰り返しうるという虚像に過ぎないのに対し、能楽だけはその公演をただ一度きりのものと限定し、そこに込められる精神は現実の行動に限りなく近しいとされているからだ。
一度きりの人生を革命の指導者として終えるなら、その人生は至高のものとして昇華する。英雄の最後は死によって締めくくられ、永遠を得る。それが、シルベストルによって記された『個別の十一人』の内容だ。」
と攻殻機動隊の中でクゼが言ってたので、興味を持って。。。。
てのは、嘘で、会社から送られてきた。
レビューは後ほど。
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結婚してから購入した本と記憶。これは、オベンキョウのつもりで、声をだして音読してみました。ヒトハ、何ヲ、スルベキデ、ショウネ?アカン、コタエ、ハ、ワカンナイ!
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読了—2012年3月16日
【まとめ】
芸能の本質とは、「衆人愛敬」、つまり社会的階級や知識の有る無しに関わらず全ての人に伝わり感動を授け、その結果として「寿福増長」、つまり人間幸福の原動力と成し諸人の生命を延ばすものでなければならない。それは社会的幸福を増すものでなければならないのだ。
世阿弥(本書内容は父観阿弥からの伝聞)は、能について「花は心、種は態(わざ)」と言い表す。「種」は引き継がれるものとしての「態」=「わざ」(おそらく技•体を含意)であり、先代の残した「風(体)を継ぐ」ものである。態は特化してはいけない。自分の型を定めた上で、四季折々の花を咲かせるために、場面や状況に応じてあらゆる芸の種類=多様な「種」を習得しなければならない。その上で、年を取っても花が咲き続けさせるには、「工夫」を行なわなければならない。この「工夫」こそ、芸能が停滞することなく発展し続けるための必要不可欠なものであるからだ。
場面や観客、役と対話し、観衆に新規さと面白さを伝えるよう演出を工夫する力、そしてその様々な要求(季節の変化)に応えられるほどの豊富な種=態としての力量、この両者を有した存在こそが年を経ても枯れない花を咲かせ続ける芸能を行うものの資格である。「家家にあらず、続くをもて家とす。人人にあらず、知るをもて人とす」。
【感想】
伝統芸能に携わる人間に必然的に強く求められる、所作や心持ちがまとめられている。そこで強く意図され展開されているのは、家を引き継ぐことの自覚と伝統芸能に携わる者としての心の均衡だと感じる。平安時代以降、自ら賤民に甘んじて来た申楽者の卑俗な道徳律を、伝統芸能であり芸術性をまとった能楽者としての矜持へと昇華させるための芸術体系論である。現代でも色あせない人間の生き方として傾聴に値するものだと感じた。
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花伝書は一子相伝の芸術書と思われているが、それ以上に観世座をどう経営していくのか、いかに世に残していくのかが書かれた経営論である。そういう目線で読むとまた多くの発見がある。
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最初の短い話のあたりは現代語訳よりも、昔の言葉のほうがイメージ掴みやすかったかも。漠然とした印象だけど、技術って身体を使って覚える。ってことを言ってるようにもみえた。でも古典ってやっぱり読んでて、良い具合に緊張感あるなー!
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(2014.10.07読了)(2014.07.14購入)
【日本の古典】
Eテレの100分de名著で取り上げられたついでに放送のテキストを読み、関連書を読んだのですが、
「秘花」瀬戸内寂聴著、新潮社、2007.05.15
「世阿弥」白洲正子著、講談社文芸文庫、1996.11.10
御本尊を読んでいないので、古書店で探していたら、ちょうど見つかったので、読んでみました。
前半は、原文、後半は現代語訳になっています。解説も詳しく書いてあります。
『風姿花伝』は、世阿弥の著作と思っていたら、観阿弥が、世阿弥に口述したのを世阿弥が書き取ったもの、ということです。
内容は、能楽論です。年齢ごとの稽古の心得、役どころの演じ方、新作の作り方、出し物の選び方、出だしの入り方、能楽の由来や歴史、など、能楽を演じるにあたって、心得るべきすべての事が書かれています。
一般の人が、人生訓として読み取るのは、ちょっと難しそうです。
【目次】
口絵
序
凡例
花伝書(付・脚注)
補注
現代語訳
本文
(序)
第一 年来稽古条々
第二 物学条々
第三 問答条々
第四 神儀に云ふ
第五 奥儀に云ふ
第六 花修に云ふ
第七 別紙口伝
解説
花伝書能楽論(芸術論)の体系組織と内容
参考文献
本文語彙索引
☆関連図書(既読)
「世阿弥『風姿花伝』」土屋惠一郎著、NHK出版、2014.01.01
「秘花」瀬戸内寂聴著、新潮社、2007.05.15
「世阿弥」白洲正子著、講談社文芸文庫、1996.11.10
「能の物語」白洲正子著、講談社文芸文庫、1995.07.10
(2014年10月15日・記)
内容紹介(amazon)
本書は、わが国の古典中もっとも異色である作品で、申楽者観阿弥が、その実力を養い発揮する方法を、人間の本性を会得した立場で考究した稀有の体系的芸術論である。その洞察は、また人間論としても現代に生きている。校注は世阿弥研究の第一人者川瀬一馬博士。平易な現代語訳と語彙索引を付した決定版。
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現代語訳だけに、すらすらと読むことができる。
日本人必読の古典と言われ手に取ってみるが、前評判の割にはあたりまえのことがあたりまえに書かれていて新鮮な驚きは少なかった。
伝統芸能に携わっている現代の人の意見が聞いてみたい。