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強欲爺のスクルージが、クリスマスの夜、過去・現在・未来の自分の姿を見せつけられ改心するのだが、その導き手が幽霊、という点、さすが英国。
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ケチで意地悪なスクルージの前に3人の精霊が現われた。スクルージは過去に戻り、純粋な心を取り戻すっていう心温まる話。ディズニー映画にもなってますからね。クリスマス前に読んで、心入れ替えるってのもいいんじゃないかと。
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今日はクリスマスイブなのでこんな本を。
一人暮らしをしていた頃、毎年クリスマスイブにはこの本を読むことにしていた。
自分を振り返って一年に一度気持ちをリセットする。
『クリスマス・キャロル』 ディケンズ 北川悌二 訳 (講談社文庫)
“人生はやり直しがきく”ということを教えてくれたのはこの本だ。
間違えたり失敗したりしたら、その時その場所からちゃんとやり直せばいい。
そうじゃなきゃ生きていけないよな。絶対間違えない人間なんていないもん。
私なんかもう、間違いだらけの失敗だらけだよ(しみじみ…そして遠い目…)
エビニーザ・スクルージという老人が主人公である。
スクルージは、ケチでごうつくばりで冷酷で非情で意地の悪い嫌われ者のじいさんで、そして何よりクリスマスをバカにしていた。
イブの夜、そんなスクルージのもとを三人の精霊が訪れる。
それは過去、現在、未来のクリスマスの幽霊で、彼らの導きにより過去から現在までの自分にまつわる様々なことを見聞きし、自分がいかに酷いことをしてきたのかを目の当たりにする。
最後の未来のクリスマスでは、独りぼっちで身ぐるみはがされて死んでいる自分の姿を見、スクルージは今までの自分の行いを後悔するのだ。
スクルージが目を覚ますとそこは自分の部屋で、しかもクリスマスの朝だった。
その日から彼は別人のように変わるのである。
クリスマスの街を歩き、道行く人に陽気に声をかけ、貧しい人々に寄付をし、書記のボッブの家に七面鳥を届け、甥のフレッドの家に食事に出かける。
その後も彼は、毎年そういうクリスマスを過ごし、人のために働き、いい人になったのだった。
というお話。
すごくわかりやすいです。明と暗がくっきり。
スクルージがいい人に変わる場面は、こっちまで楽しい気分になる。
「わしは羽根毛のように幸せ、学校の子供のように陽気だぞ。酔っ払いのようにフワフワと目をまわしてる。みんなにクリスマスおめでとう!全世界に新年おめでとう!」
外国のクリスマスは、日本のそれとはまた違う意味合いで特別な日なのだ。
クリスマスの街の描写だけに何十ページもが費やされている。
食料品店にあふれんばかりに並べられた果物は光り輝いて馥郁たる香りを漂わせ、道行く人々はみな幸せそうに語り合い、屋根の雪下ろしをしている人でさえ、笑い合いふざけ合い、家々の台所や居間ではごうごうと火が焚かれ、暖かい暖炉のまわりには家族が集まり、ごちそうの皿が回され、デザートのプディングが回され、グログ
酒やビショップ酒で祝杯があげられる。
こういう幸せなクリスマスの描写がたくさん出てきて、読んでいると幸せな気分になってくる。
心を入れ替えたスクルージに乾杯!
よっしゃ私も明日からがんばろうなんて思ったりする。
昔、清教徒革命によって一度滅びかけたクリスマスを復活させたのが、この「クリスマス・キャロル」なのだそうだ。
メリークリスマスという言葉や、クリスマスに行われる贈り物のやりとりも、この物語をきっかけに起きたと言われているそうである。
やるな、ディケンズ!
今日の続きの明日が幸せでありますように。