紙の本
幕末のサムライのお話、生きた歴史です
2002/08/29 13:50
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投稿者:homamiya - この投稿者のレビュー一覧を見る
時は幕末、“サムライ”伊庭八郎の物語。
池波正太郎の「その男」とかなり話が重なっているようだ。人は寝て食べて飲んで、好きな女を抱ければそれでいいんだ」といった幸せ観も「その男」と共通する。
共通しないのは、「その男」の主人公は明治維新で床屋になったが、伊庭八郎はあくまで「微衷を尽くすのみ」と官軍に抵抗するのをやめず、戦って死んだ点。単なる剣術バカではなく、時代の潮流が変わった事も理解しながら、でも、このような転換期には冷静に戦いを止める人も、続ける人もどちらもいていいのでないか、と自分は続ける側にまわる所が非常に印象的。それでいて最後まで涼やかな印象なのがすごい。
歴史は、年表上の出来事ではなく、その時代に生きて動いた人々の必然の結果。この本のように「生きた歴史」を読むとそう思う。
遊女・小稲とのロマンスは泣ける。勝手にいなくなって戦死しようとしている男が「金を工面してくれ」と言ってきて黙って出せる小稲がすごい。出させる男もすごい。
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幕末に活躍した、イバハチこと伊庭八郎の物語。
結核になったからこそ、剣に生きようとした伊庭の姿が切ない!
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伊庭さん方面から幕末を見るのは今回が初めて。あれですね。土方さんと同じ日に亡くなったことになってるんですね。
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幕末、遊撃隊隊長としてに生きた隻腕の美剣士、伊庭八朗を描いた作品。優男な男前で江戸っ子! 土方さんと交流があったというのは・・・史実で間違いなかったはず・・・という記憶があるのですが、どこで見たのか聞いたのかが思い出せなくて自信がない。(汗「燃えよ剣」は土方さんと新撰組の設定(?)上、体育会系で厳つい印象もあったりしますが、遊撃隊は伊庭八の印象もあるのかもうちょっと優美な印象。
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遊撃隊の伊庭八郎を主人公にした小説です。伊庭さんの生き様はとにかくかっこいい。吉原の遊女・小稲や「鳥八十」の板前・鎌吉との関係も良かった。
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男前で天才剣士で労咳で…ときたら某新撰組のひとを指すと思いきや、同時代にもう一人。天才・労咳に加えて隻腕というおまけつき。この話、ドラマになんないかなと思う。
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池波正太郎の描く江戸の男は何故こんなにもかっこいいのか・・・!激動の時代が舞台だけれど、ベタなお涙頂戴系ではない。さらっとした終り方だけれど、江戸っこらしい潔さが感じられて、ますます切なくなってしまう。じんわり涙が溢れます。
あと、出てくる料理がいちいち美味しそうだ・・・!
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隻腕の美剣士として有名な伊庭八郎を池波さんがとっても素敵に描いておられます。
実際の伊庭さんは「美剣士?」なお姿が後世に残ってますが、池波マジックにかかるとあら不思議。
ちなみに伊庭さんの残した「京都食い倒れ日記」は、のほほ〜んとした生活ぶりがうかがえて面白いです。食って買い物して見物して・・・。
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「え?」って思うような展開はあるものの、
そこはあくまで小説として読み進めると
最終的にはちょっと涙しました
…でも最後はあんまりにもサラッと流され消化不良感が拭えないのが残念
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すでに設定とかがドリームな気がしますが、
全然OKっ!
イバハチ好き〜ならこんなのもアリでしょ!
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怒涛の如く進撃してくる官軍!剣ひとすじに生きる伊庭八郎は、遊撃隊を組織し、押し寄せてくる敵に向かって戦いを挑んだ―。短くも壮烈に生きぬいた男たちの姿を描く幕末秘話。
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伊庭八郎。
将軍の親衛隊。改編され遊撃隊となり、鳥羽・伏見の戦いを経て五稜郭で命を落とす。
簡単に言うとこんな方。
池波正太郎の書くこ気味の良いべらんめぇ口調と、冷静に自分の「命の残量」と「やれる事」を計る姿勢のギャップがせつなくなる。
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隻腕の美剣士、漢前なイバハチもの。
パラレルな部分もありますが通して素敵で、読み終わった後じんわりきます。
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心形刀流・伊庭道場の跡継ぎで、後に遊撃隊の隊長となって蝦夷に渡って戦う伊庭八郎が主人公。
とにかく、伊庭さんがこれでもかというほど格好良い。特に吉原からの帰りに杉沢伝七郎を退けた所などはものすごく格好良い。
十六で初めて本気で竹刀を握った……学問と剣術とで剣術を選んだ理由が切なかった。
江戸と京都がほぼメインとなっていて、蝦夷はあまりページ割かれておらず、もう少し詳しく蝦夷での部分読みたかった。
それから後半部分によく登場する榎本武揚がこれがまた格好良い。最後、陣羽織の説明だけでも悲しかった。
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面白かった。伊庭八郎と鎌吉の関係がとても魅力的。
伊庭のセリフのおかげで明治維新を別の視点から見ることができた。池波正太郎は読みやすい。