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マンスフィールドの短編はどれもが宝石箱のよう。わずか十数ページの中に登場人物の過去・現在・未来がつまっており、風景描写がそれに花を添える。この短編集では特に上流階級と労働者階級の差や女性の生き方というテーマを扱った短編に絞られています。
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キャサリン・マンスフィールドはニュージーランド生まれであるが、主にイギリスで作品を発表した。繊細な心情を描くショートストーリーの名手であり、34歳でその短い生涯を終えることがなければ、きっと深淵なる小説を書きえた作家である。マンスフィールド自身が育ってきた環境を反映しているためか、上流階級のお嬢様のひとりごとのように読める部分も多々ある。が、彼女の描く情景や感情を読んでいると、心が浄化されていくような心持になる。彼女の描く対比―富める者と貧しい者、生と死、若さと老いが彼女なりのオプティミズムでくくられていくのが快い。
とくに、表題作である「ガーデン・パーティ」におけるオープンエンドの在り方は特筆に値する。彼女の投げかけた問いとそれに答えもせずはぐらかしもしない兄の洒脱なやりとりに、生涯この作品を忘れないであろうと感じた。
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津村のよみなおし世界文学の1冊。多くの短編があつまっていt、そこにはイギリスだけではなくニュージーランドでの生活を描いたものもあった。園遊会が最も長編であった。