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おそらく日本で最初に自分がオタクであることを公言した女性でしょう。上総国から都への旅路を経て夢中で物語の世界に浸った少女時代。親しい人たちと別れ、容赦ない現実の波に押し流されていく青春時代。宮仕えして源資通と議論を交わし作者の人生で最も晴れがましかった"春秋のさだめ"。晩年を迎えて己が所業を深く悔恨しながらの神仏への傾倒…かつて栄華を誇った王朝政治が翳りを見せ始めた平安後期に一下級官吏の娘である女性が辿った人生。現代の中産階級オタク少女にも共感する所があるのではないでしょうか。
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少女の見る、美しくも哀れな世界。
少女は、姫君の生まれ変わりたる猫と遊ぶ。
少女の姉は月明かりの夜更け、縁に出でて、「ただ今ゆくえなく飛び失せなばいかが思うべき」と問う。
翌年猫の姫君は火事で死に、姉も子を産みて死ぬ。
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私が、2つ目に通読した文語文学(始めて通読したのは土佐日記)。
源氏物語の世界に憧れ、上京(もちろん東京じゃなくて京都!)を望む少女時代は、
NHKの連続テレビ小説で描かれる現代っ子の心理にも通じる。
姉が月を眺めながら「私が今死んでしまったら.....」と話すシーンが、なぜか印象に残っている。
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中高の頃は古典好きだった。
「更科日記」は昔テレビで「まんがで読む古典(だったか?)」風の番組をやっていて、そこで存在を知った。主人公の女性が「サラちゃん」と名付けられ(確か藤谷美紀、懐かしい)、主題歌が爆風スランプ。
源氏物語を手に入れてすごく幸せそうなところがやたらに印象に残っている。
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父の国司の任が果てたのに伴って、日記の作者が「あづま路の道の果て」から上京したのは寛仁4(1020)年の秋のことであった。時に孝標女は十三歳。日記の冒頭で物語への痛切なまでの憧れが語られているが、『源氏物語』が流布し始めたのは、ちょうど作者が生まれた頃。してみると、孝標女はほぼ同時代の物語として源氏を読み、その時代を生きたことになる。帰京した翌年に、彼女はとうとう念願の源氏全54帖をおばから手に入れるが、そのあたりが彼女の人生で最も充実していた時であった。その喜びは1000年たった今も強い共感と共に甦る。
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高校の時に授業で習ってから興味を持っていた古典です。筆者が「源氏物語読みたい読みたい!」と言っていたり嬉しさのあまり「皇后の位なんてどうでもいい」と言っているシーンは1000年経っても人間は変わらないんだなあと思えてきます。完全に理解はできませんでしたが、読んでよかったです。