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マックス・ヴェーバーの「職業としての政治」も政治家や政治を学ぶことを志す人は読むべきであるが、この「デモクラシーの本質と価値」も読まれるべきであると考える。命令委任と自由委任のこと(命令委任は身分制議会においてでの話)、議員の免責特権のこと(これは行政権を行使する国王の横暴から勝ち取ったもの)、また特筆すべきは、ケルゼンはここで比例代表制を支持していることだ。これは選挙において勝ち負けがないこと、小選挙区は勝ち負けの要素が大きく、その区割りを決めるにあたって偶然の要素が大きくなること、また小党分立の有害さは、これは「大同小異」の要素を国民の間から議会に持ち込むだけであることで、大したことではないという(よく挙げられるワイマール共和政は、大統領に非常大権が認められていたことが問題であると思うが。)。また行政国家現象も、これは民主国家を補完するものとして顕れるであろう、とする(すくなくとも日本には当てはまらないだろうが)。民主主義には指導者が適応していることも、プラトンの「国家篇」を引用し確認している。
また最後に、ナザレ人イエスが処刑されることを、民主主義の悲劇として語っている。これは皮肉なのか、キリスト教に対する非難なのかは、推し測り難いが。