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一族の栄枯盛衰には、読者の心に哀愁を感じさせる何かが存在するものです。家族の没落を見事に描いてみせたこれぞまさに物語の中の物語と言えるでしょう。
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原書名:Buddenbrooks
著者:トーマス・マン(Mann, Thomas, 1875-1955、ドイツ、小説家)
訳者:望月市恵(1901-1991、安曇野市、ドイツ文学)
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ブッテンブロークスついには滅びぬ。ラストの描写方法は秀逸!そしてついに街から逃れられなかったトーニ、過去の栄光にしがみつくトーニを思うとやっぱりリューベックに行こうと思う。今はみどころを1日でまわれてしまう街。
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ひさびさの長編読破.ブッデンブローク家の没落を描くトーマス・マンの最初の長編.読み始めてから40日ほど.私にしては異例のハイスピードで読了.特に上巻,中巻はトーニのキャラクターに牽引されて,非常に面白く読めた.人物一人一人がいきいきと描かれて,心理描写もにくいくらいうまい.さまざまなエピソードもからまり合いながら,やがて没落を迎える家族の歴史の一つ一つを形作っている.
ここからは思い出.わたしは大学の教養の授業でこの本の講義を受けた.当然読まされたわけだが,上巻の半ばで挫折した記憶がある.その当時は読む力がなかったんだろうな.長じて,この小説が北杜夫,辻邦生の愛読書だったことを知り,いつかは読みたいと思っていた.というわけで読了できて幸せである.生きていれば少しずつ願いが叶うということか.確か,訳者は北杜夫,辻邦生の松本高校時代のドイツ語の先生.あとがきにも斎藤宗吉君への謝辞がある.
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2022.05.26 図書館
これもなんかでおすすめされてたか、なにかの引用で出てきたか……。
何の前情報もなく、まあメモして借りるくらいだから面白いのだろうと期待しつつ、この上中下の大容量を読み始めた。
読み始めてから少し調べると、作者のトーマスマンはノーベル文学賞を受賞していて、その人の代表長編とのこと。
一気に期待値があがって読むペースが上がる。
上巻は登場人物の把握と一族ものだからみんな名前が似てるのと、大昔のヨーロッパで馴染みない言葉に慣れるまでが大変だった。
地の文がしっかり書かれてるタイプでなかなか進まないところもあったけど、
ユーモラスで読みやすかったので上中下巻の分量ほどの大変さは全くなかった。
とくに中下巻は展開もはやくて気がついたら読み終わってた。
一族の最繁栄期からはじまって、没落までなので
とにかく下る一方。
上巻は明るい内容で楽しめたけど
中下巻はどんどん転落していく。
誰がやらかしたとか、大きな転換期があるわけでもなく、小さな不運が重なってじわじわ没落していく印象。
それでも誰より真面目で、長男として一人で没落を阻止しようともがいてるトーマスの健気さが一番悲しかった。
トーニはなぜか男運が無さすぎてしんどかった。
一代で財を成す人は、傲慢さがなければ無理。
家族に対してもでる。
その圧力を受けて育つ長男は、臆病で真面目。
なんか悲しい。
全体的にはひたすら没落だから重い読後だと思いきや、
読んでいる間も起きていることは悲しいのにそれをあまり感じさせない、引きずらせないところがあった。
ユーモアなのか、展開なのか。
なんで読み始めたのか全くわからないけど、
読めてよかった!
やっぱり昔の海外文学は
過剰な説明と演出、勧善懲悪がなくてとても好き。