紙の本
欠片でもいい
2001/06/05 19:35
3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドナルド - この投稿者のレビュー一覧を見る
作品だけではなくて、残骸・残滓も異彩を放つ。作品や思想そのもの(結果)だけではなくて、創作過程にも注目する。
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卒論の資料として手に入れたものですが、内容がまぁまぁ面白いです。天才レオナルド君もこんなこと考えてたんだ〜
上巻には「人生論」「絵画論」「文学論」を収録。
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文学から科学まで、広範囲の学問をとうして語られる手記。
天才が書く手記は、ものの見方を変えてくれる。ダ・ヴィンチは見るだけでなく、読む価値もあり。
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20110618読了。
レオナルド・ダ・ヴィンチの手記をまとめた本。
上巻では人生、文学、絵画についてを語る。
手記というかメモなので
それぞれが順序だってかかれているわけではなく雑多な印象はある。
けれども順序だってないからこそ、
有益なメモのみ抽出され、無駄な部分がない。
特に人生についての箴言、
絵画についての具体的な指南(人の立ち姿を書く際は、依っている脚の垂線上に喉仏をかくべき)が非常に興味深い。
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「君が手に触るる水は過ぎし水の最後のものにして、来るべき水の最初のものである」
「木は自分の破滅をもって木を刈るものに復讐する」
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芸術史の先生から授業中に紹介のあった本。芸術を志す物なら読んでいて損はないらしい、けど、上下揃えるとなるとちょっとお高いね・・・・・・
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レオナルド・ダ・ヴィンチの手記が収録された文庫本。
上巻は人生論や寓話といった文学的な価値のある文章が収録されており、ダ・ヴィンチ自身に興味が無い人でもそれなりに楽しめる内容です。後半の方には絵に関する技術や技法が載っており、ダ・ヴィンチの絵を見る際、別の視点が得られると思います。
古い本なので文体(字体?)が古い種類のものなので、かなり読みにくいのは覚悟しておく必要があります。
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レオナルド先生の箴言は耳に痛いけどその研究意欲というか、好奇心旺盛で何事に対しても真剣に取り組まねばという姿勢には頭が上がりません。謙虚でいろ、とおっしゃるわりには全く謙虚さが感じられないところがいいと思います。けれどレオナルド先生のスフマートや、アカデミアの紋章、柔軟な発想と想像力。謙虚でいる必要もないのか、とも思いました。今、預言の章を拝見させて頂いてますが、なぞなぞ、イル・モーロも楽しんだなぞなぞのようなやりとり、意味がわからない部分もありますが、笑わせてもらっています。
「レオナルド・ダ・ヴィンチは、文筆による自己表現の際、詩形式よりも、箴言、手記の類を好んだ。…レオナルドの気魄はまことに面白く思われる。こうした気概がなくては、人文主義運動はそれほどの成果を収め得なかったであろう。人文主義の研究者は、彼自身、この覚悟であらねばならぬ。いや、先ず学者である前に、人間として秀れたルネサンス人はいかに生きたか?」(平川祏弘「ルネサンスの詩」より)
このしつこさと燃えるような心、一瞬、一瞬の川の流れのなかにも哲学を見出すような気持ちがなくては研究者などつとまらないのだろうと、今日買ったばかりの麦わら帽子を被りながらパソコンの前に座るような人は思った次第です。
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絵画論では長閑な田園風景から悲惨な戦争災害まで最細部まで観察、考察していることがよくわかった。500年も前の人物が見ていた風景が広がる。天才と呼ばれ、少し遠い存在かと思っていたが、そんなことはなかった。
アリストテレス先生の考えが16世紀まで残ってたことにも驚いたゾ。やっぱり観察という技術における最高の学者はアリストテレス先生だった!
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[ 内容 ]
<上>
レオナルド(1452‐1519)こそ「万能の天才」そのものである。
彼は何よりも「モナ・リザ」「最後の晩餐」などの傑作を残した画家であり、彫刻家・建築家であり、また天文学・物理学の造詣も深かった。
その天才が残した厖大なノートから、わかりやすい文章を選び2冊に編集する。
(上)には『絵画論』『人生論』『文学論』を収める。
<下>
(下)には『科学論』『技術論』のほか、手紙、メモを収録。
レオナルドのノートには、人生に対する箴言あり、寓話・笑話・文学に対する批評あり、「モナ・リザ」を生み出した陰影と遠近法の研究や『解剖学』などの記録も含まれる。
天才の偉大さ、創造の秘密はすべてこの2冊の中に圧縮されている。
[ 目次 ]
<上>
人生論
文学(寓話;笑話;動物譚;予言 ほか)
「絵の本」から(絵画と他の芸術との比較;画家の生活と勉強;遠近法;解剖 ほか)
<下>
科学論(経験;自然;理論と実践 ほか)
技術(都市計画等;水利計画;軍事技術)
手紙とメモ(手紙;メモ;旅行メモ ほか)
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ]
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近代芸術の時代を迎える19世紀まで、14世紀から数百年にわたり西洋美術の礎になったルネサンス期に触れたかったため読了。”人生論”では訓戒が多く、揺らぐ意思の支えになるような至言に出会えた。独白調なので、身近に感じる。”文学”の章では、心情を自然の体系に丹精に投影されており、なおかつ自然そのものを科学的な視点で考察することによって、さらに感情を飛躍させているように感じた。文理両方の才能に長けていたのは、相互の関係が補完することに成功しているからではないかと、凡人の自分は推察する。”絵の本”では対象の洞察に徹底しており、それが深いほど画家と対象の間にある形而上の領域に説得力を与えているのではないかと感じた。光を描くために純粋に世界を信じ抜いている。
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(2016.02.22読了)(2003.01.28購入)(1994.12.05第46刷)
レオナルド・ダ・ヴィンチの展覧会を見ました。
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レオナルド・ダ・ヴィンチ―天才の挑戦
主催:毎日新聞社
会場:江戸東京博物館
会期:2016年1月16日(土)~4月10日(日)
観覧料:一般1,450円
今回の展覧会では、自然観察を通じて真理に近づこうとしたレオナルドの挑戦を、日本初公開の絵画 《糸巻きの聖母》(バクルー・リビング・ヘリテージ・トラスト)と直筆ノート「鳥の飛翔に関する手稿」(トリノ王立図書館)を中心に紹介します。
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レオナルド・ダ・ヴィンチの展覧会を見るたびに、積読中のこの本を思い出して、読もうと思うのですが、何度も挫折してきました。今度こそはと、頑張って何とか上巻を読み終わりました。
1954年に第1刷が出ている本なので、漢字が旧字体になっています。夏目漱石の小説なども、旧字体の漢字で読んできた世代なので、何ページか読むと旧字体の漢字に慣れて、違和感は薄れて苦にならなくなります。
内容は、レオナルド・ダ・ヴィンチが折に触れて書き残した、メモ書きみたいなもののうち、意味が読み取れそうなものを翻訳したものですので、あまり読みやすいものではありません。メモの中に絵の下書きなども入っているので、その写真が、7枚ほど収録されています。
レオナルド・ダ・ヴィンチの関心は、多岐にわたりますので、この上巻には、『人生論』『文学論』『絵画論』に関するものが収録されています。
【目次】
レオナルド・ダ・ヴィンチの生涯とその手記
凡例
序
人生論
文学
寓話
笑話
動物譚
予言
東邦旅行
巨人について
「絵の本」から
絵画と他の芸術との比較
画家の生活と勉強
遠近法
解剖
美について
運動と表情
構図
衣服
光、影、色
風景
自然
大洪水と戦争
訳註
●最高の善・悪(33頁)
最高の善なるものは智慧であり、最高の悪なるものは肉体の苦痛である。
●記憶(35頁)
食欲なくして食べることが健康に害あるごとく、欲望を伴わぬ勉強は記憶をそこない、記憶したことを保存しない。
●幸福(40頁)
「幸福」が来たら、躊らわず前髪をつかめ、うしろは禿げているからね。
●嫉妬(40頁)
徳が生れると、忽ち徳は自分に反対する嫉妬を分娩する。嫉妬なき徳より影なき物体の方がさきに現れるであろう。
●攻撃(50頁)
他人を攻撃する人は自らも安全ではない。
●絵画(196頁)
「絵画」は一瞬のうちに視力をとおして物の本質を君に示す。
●あやまち(220頁)
われわれは自分の作品より他人の作品にあるあやまちの方を識りやすいということをはっきり承知している。
☆関連図書(既読)
「レオナルド・ダ・ヴィンチ」東野芳明著、新潮美術文庫、1974.05.25
「ジョコンダ婦人の肖像」カニグズバーグ著、岩波書店、1975.12.10
「微笑の構��」田中英道著、小学館、1977.06.20
「モナ・リザが微笑む」宮下孝晴著・佐藤幸三写真、講談社文庫、1984.12.15
「レオナルド=ダ=ヴィンチ鏡面文字の謎」高津道昭著、新潮選書、1990.08.20
「レオナルド・ダ・ヴィンチ」田中英道著、講談社学術文庫、1992.02.10
「建築家レオナルド・ダ・ヴィンチ」長尾重武著、中公新書、1994.08.25
(2016年2月23日・記)
(「BOOK」データベースより)amazon
レオナルド(1452‐1519)こそ「万能の天才」そのものである。彼は何よりも「モナ・リザ」「最後の晩餐」などの傑作を残した画家であり、彫刻家・建築家であり、また天文学・物理学の造詣も深かった。その天才が残した厖大なノートから、わかりやすい文章を選び2冊に編集する。(上)には『絵画論』『人生論』『文学論』を収める。
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徒然草を毒付けた感じ。半分くらい意味不明だが、時折 短文ながら、凄い表現あり
特に 絵について書かれた内容は 哲学のように 建設的に核心を捉えていた気がする。画家に解剖学が必要とはプロ意識の高さを感じる
ゲーテとの対話ほど 体系的に整理されていないし、漢字旧字が読みづらい
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人生論の部分は、経験主義や無の思索などが面白い。ルネッサンス芸術は「自然を師とし」、一種の経験主義的芸術観をもっていたのだなとわかる。
文学では動物譚が面白い。ワニの口に飛びこんで、ワニを殺す「ねこいたち」については、『職方外紀』にみえる。『博物誌』「徳の花」「アチュルバ」「トレソル」などの中世動物譚からの引用らしい。
絵画論では詩や彫刻とのちがい、絵画が空気など形のないものも描く点で彫刻よりまさっていることなどの論争があり、あとは遠近法・陰・動き・衣服のシワなどの各論である。最後は洪水とか、戦争の描写でちょっと黙示録ににている。
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レビュー400冊目。そこにレオナルドがくるとは、さすが、もってますね、レオナルドさんは。
レオナルドが気になったのは、親の影響かもしれない。そういうのはあまり認めたくないものだが、中高生くらいから知ってて、始めの記憶があまりないものは多くはそうだろう。もしくは授業とかだったか?
ついこないだ、ルーブルで15年ぶりとかのモナリザをみてきたけども、なんだかんだで、常にどこかで縁がある。
そんで、西洋思想史を辿るにあたって、ルネサンスを超えるときにレオナルドはスルーできない、やはり目配せくらいしていくべきだろう、と、手に取る。
それこそ高校生くらいのころにも読もうとしたが、この岩波文庫の漢字が難しくて読書が進まず、最初の人生論のあたりでやめた。
今、改めて読んでみると、ふんふん、なんとも隅から隅まで読むべきかは悩むのだけども、そこかしこをつまむことで、色々とレオナルドの景色は見えてくる。
・経験の弟子
ってやつは、ガリレオへ続く科学革命の予言の言葉
・権威を引いて論ずるものは才能を用いるにあらず、ただ記憶を用いるに過ぎぬ。
ってやつは、カントの啓蒙につづく勇気を与えてくれる
・数学の至上の確実性
これは、ここまで断言してたのか、と驚く
・欲望を伴わぬ勉強は記憶をそこない、
これはどきり
・十分に終わりのことを考えよ。まず最初に終わりを考慮せよ。
これぞ、あらゆるプロジェクトマネジメントの真髄
・p49にて、ルクレティウスをひいているのにも驚いた。
文学の章も、ほとんど読んでないが楽しい。説話集のようなものまである。レオナルドの探索はここまで及んでいたのかと驚かされる。
「絵の本」から、の章、ここはレオナルドの真骨頂のひとつか。
・運動は一切の生命の源である
いいじゃない
・もし君がひとりでいるなら、君はすっかり君のものである。
こんな励ましの言葉はなかなかかけてもらえない。
久々に読んでみたことで、松岡正剛が、千夜千冊で、
「 しかし、一度はレオナルドの『手記』は手にとってみたほうがいい。おそらく、諸君に名状しがたい自信をもたらすだろうからである。」
と言ってる意味がよくわかった。
これを読んで励まされることができた自分は、大きくは間違えてはいないだろう、と思えた。