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ソクラテス ――したがって、きみはまず自分で徳を身につけなければならないのだ。そしてこれはきみだけに限られることではなく、いやしくも個人として自分自身と自分のものを支配し、これの面倒をみるにとどまらず、また国家と国家のことがらとについても、支配し面倒をみることをしようとする者は、そうしなければならないのだ。
してみると、君が君自身のためにも、また国家のためにも用意しなければならないのは、何でも自分のしたいと思うことをする自由とか、支配的地位とかいうものではなくて、ただ正義と節制(思慮と健全さ)なのだ。
アルキビアデス ええ、それは明らかです。
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世界とは何か? 人間とは何か? 神とは、自然とは、存在とは、認識とは……などなど。だが、問題はいまここに生きている自分である。自己をどう検討し、どう配慮するか。この思索、というよりも生きることそのものに対峙する人間の生き方を考える源流としてフーコーが示唆したのは、ついにソクラテスだった。
無知の知を乗り越えて徳を得る道のり。華麗にして崇高な思想の舞踏が最後に歩もうとしたのは地道である。まずここからだ。
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プラトン全集を買ったのは、たぶん10年くらい前なんですが、まだ読めてないものがたくさんあります。情けないです。今回、『はじめてのプラトン』を読んで、勢いがついてようやく次の一冊を読み終えることができました。このあとはフーコーにうつってしまったので、またプラトン全集の進捗は途絶えています。次はどれを読もうかなあ。
この本については、哲学的に惹かれるところは少なかったですが、ソクラテスがアルキビアデスにご執心だったということがよくわかる一冊でした。【2021年7月18日読了】