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みんなのレビュー3件

みんなの評価3.4

評価内訳

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紙の本

1952年以来、ロンドンにてロングラン公演。ギネス公式記録をどんどん更新していくお化け芝居のシナリオ。

2001/08/30 12:55

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:中村びわ(JPIC読書アドバイザー) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 はるか昔ロンドンに行ったとき(1ドル=360円時代ではない、さすがに)は「キャッツ」が大人気公演中だった。「ねずみとり」の記録のことは知らなくて今となっては大変残念に感じるので、死ぬまでにまたロンドンに行ける機会を持てたら、この芝居、ぜひ見てみたいと思った。

 ロンドンでタクシーに乗って「ザ・マウストラップ」と運転手に告げれば、劇場の名を失念したって連れていってくれるそうである。つまり観光目玉として、それほど人口に膾炙しているということらしい。無論、劇場の席の数は、年間15万人程度とキャパがあるから、チケット手配は怠れない。

 「観客のみなさん、どうかこのラストのことはお帰りになってもお話しにならないで下さい」というお願いがカーテン・コールのときにあるそうだ。それを聞いて満足して席を立つ人たちがざわめきながら帰っていく姿が目に浮かぶようだ。
 お願いに対しては、真心で返す観客たちばかりなのだろう。いつも芝居の同じところで、初演と同じ「おおっ」という声が上がるそうである。そのどよめきと、カーテン・コールでのお願いを体験するだけでも面白そうだという気がする。

 舞台はずっと美術が変わらず、山荘の広間である。
 第1幕第1場が、山荘オープンの夜、経営者のロールストン夫妻が待ち構えているところへ予約の客が次々にやってくる。外は大雪。車が立ち往生してしまったという行きずりの客もある。広間でときどきつけられるラジオは、パディントンで起こった殺人事件のことを告げている。

 第1幕第2場は、翌日の午後である。泊まり客たちは、大雪により山荘に閉じ込められた格好。客どうし相互の牽制や干渉が始まっているなか、パディントンの殺人事件に関連する人物を保護する必要があるとして、積雪をかきわけて刑事が訪ねてくる。刑事の心配をよそに、自分の過去や現在について多くを語りたがらない客たち。やがて日が暮れ、積雪で暗い室内の明かりがぱっと消え、元に戻った瞬間、一人の死体が照らし出される。

 第2幕は、一瞬の停電の10分後。そこに集まった人びとの関係が徐々に明らかにされていく。刑事の希望で、事件のときのアリバイを証明するために、人びとは事件の再現に協力する。
 また新たな事件が起こるかというところで、意外な事実が発覚する。

 過去に虐待を受けた子どもが、成長して復讐の時が満ちたという構図だ。ラジオが告げる町での殺人事件が、急に現実味を帯びて、閉じられた山荘という空間に入り込んでくる。
 山荘の広間は、劇場の、しかも舞台という閉じられた空間の設定にパラレルだという点が効果的であり、過去の事件と離れた場所の事件が、その密室空間に取り込まれていくという点が優れている。
 不気味なマザーグースの調べに乗ってストーリーが展開していくという工夫も効いている。
 強烈な印象を残す芝居になることが十分にわかる本なのだ。 

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2010/07/15 22:07

投稿元:ブクログ

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2012/04/30 21:22

投稿元:ブクログ

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