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紙の本
名前だけで充分です
2002/12/21 14:38
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ピエロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
アガサ・クリスティー、ドロシー・セイヤーズ、F・W・クロフツ、アントニイ・バークリーなど、英国黄金期を代表するミステリ作家たちの連作長編です。この錚々たるメンバーの名前を見ているだけでワクワクしてきませんか?
で、肝心の内容はというと…。決しておもしろくないワケではないし、連作にしてはよくまとまってもいます。特に最後の章・解決編を受け持ったアントニイ・バークリーの手腕の鮮やかさといったら! 後から書く人(まとめ上げる人)のことを考えてか考えずにかわかりませんが、いろいろと出された謎や問題点にキレイにスッキリと答えを出していて、よくもまとめたものだと驚かされます。ただ、連作だけにしかたのないことなのでしょうが、書く人によって登場する人物の印象が違っていて、落ち着いて読んでいられません。
まあ、そんなことはおいといて、ある意味ライバルでもあったミステリ作家たちの遊び心のほうを汲み取るべきなんでしょうね。
紙の本
豪華面子のリレー小説。
2017/07/11 14:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:igashy - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分の前の分を読むだけで打ち合わせなしで書かれたもの(ただし訳者は数名の内通を疑っている)。書いている人たちは仲良く楽しめたろうけど、単なる読み手としては話が提督の死体のように漂っていくようですっきりしない。長編は厳しいのかな。 予想解決編。クリスティーはあのネタ好きなんだなぁ…… 5章:ラッジ警部、仮説を組立てる→6章:ラッジ警部、考えなおす のタイトルの変化が好き^^;
紙の本
本格ミステリの解剖記録?
2001/11/17 13:01
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キイスミアキ - この投稿者のレビュー一覧を見る
有名な作家から、日本では無名の作家まで、各自が一章ずつを担当し、執筆した段階でどのような問いにも詰まることのない最終的な答えを用意し、他の執筆者にはその答えを教えてはならない、というルールに則って書かれた、連作長編推理です。
陳腐な作品の横行を嘆き、本格推理小説の作者が設立したというロンドンのディテクション・クラブ。そのメンバーたちによる、クラブの運営資金を得ようという遊び心の溢れる試みで実現した企画で、今から考えるとまさに黄金のようなメンバー。
序文がチェスタトン(一番最後に書かれたらしい)、プロローグがセイヤーズ(中盤の七章も担当)、ノックスにクロフツと続いて、最後がアントニー・バークリイによる混乱収拾篇。もう、言うことはありません。
巨匠たちの間に挟まっている、名前をはじめて聞いた作家たち(僕の勉強不足は置いておいて)も当時の推理小説界で活躍していたんだから、相当なやり手のはず。この作品よりも七年前に、セイヤーズとクロフツは別の連作長編(ホワイトストーンズ荘の怪事件)に参加していますが、そちらは偉大な作家たちに委縮した感のある作家たちとの共演となっていました。比べてこの作品は、チェスタトンをはじめとしたものすごい顔触れとの共同作業です。特にセイヤーズは、巻末に収録されている創作メモを読んだだけでも、連作の作業を楽しんでいる様子がうかがえるほど。これだけの舞台なのだから、誰もが楽しまずにはいられなかったんだろうと想像してしまいます。
それぞれが自分の作風を発揮していることがよく伝わって来るのも魅力です。中でも、ノックスが担当した部分は、後半の謎解きに繋がる部位であり、問題の整理のためなのか彼の趣味なのか、物語の謎が三十九条の箇条書きにされていて印象的でした。頭のいい人なんでしょうねぇ……。
事件は、川に浮かんでいるボートの中に、殺された軍人の死体が載せられていた、というもの。ボートは足場が不安定であり、そこで殺人を行うのは困難。川に死体を捨ててしまったほうが簡単だが、犯人はなぜ死体をボートに載せたのか? ということも問題になっています。数多くの関係者と、それぞれの作者が個性を発揮しながら混乱させていったものを、どうやってバークリイが収拾してしまうのかが最大の見物です。
黄金期の作家たちが残してくれた、本格ミステリの解剖記録、とでも言うべき作品です。
紙の本
漂う提督
2001/04/13 16:07
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投稿者:よさ - この投稿者のレビュー一覧を見る
その時代の著名な推理作家達が、リレー式に書き上げた作品です。各作家の個性がとても出ていて、とても楽しめます。それぞれが色々な思惑ではった伏線を次の作家が無視して話を進めたり、アリバイなどの点でちぐはぐなのは仕方が無いとして、最後のアンカーをつとめたアントニー・バークリイ氏には敬意を表します。
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