猫は夜中に散歩する みんなのレビュー

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投稿者：ＡＰＲＩＣＯＴ　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

　弁護士ペリー・メイスン・シリーズで有名なＥ.Ｓ.ガードナーが、Ａ.Ａ.フェア名義で書いた別のシリーズで、主人公は大女バーサ・クールと小男ドナルド・ラムの凸凹コンビ。と言っても、活躍するのはもっぱらドナルドで、バーサ女史は単なる道化役の感がなくもない。しかし、本書は例外中の例外。ドナルドは休暇でヨーロッパ旅行中とかで全く登場せず、何とバーサおばさんが最初から最後まで孤軍奮闘するのである。

　目から鼻へ抜けるようなドナルドとは違い、バーサ女史は自他共に認めるように、さほど頭は良くない。本書でもヘマを重ねて、依頼人からも刑事からもケチョンケチョンに言われてしまう。しかも、ドナルドが最後まで決してあきらめないのに対し、バーサは事が面倒になると、すぐ放り出してしまいたがるタイプ。そんな女史が、いかにして難事件の解決にこぎつけるのか…それは読んでのお楽しみ。バーサおばさんをもっと活躍させてほしい、と思っている方には特にお薦め。また、タイトルに偽りなく、猫が重要な役を果たすので、動物ものが好きな方にもお薦め。