- 現在お取り扱いが
できません - ほしい本に追加する
きこえる きこえる みんなのレビュー
- マリー・ホール・エッツ (ぶん・え), ふなざき やすこ (やく)
- 税込価格:660円(6pt)
- 出版社:らくだ出版
- 発行年月:1981.12
- 発送可能日:購入できません
絵本
- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
1 件中 1 件~ 1 件を表示 |
紙の本
表情や動きに溢れる言葉本当のコミュニケーションとは?
2006/08/02 12:04
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まざあぐうす - この投稿者のレビュー一覧を見る
全頁白黒の版画版である『きこえる きこえる』には、動物や子ども達、お母さんの顔の表情や体の動きが巧みに描かれています。詞書も少なく、色彩もモノクロですが、絵本を開くと、動物達や子ども達、お母さんの気持ちが絵本のページから溢れてくるようです。
エッツの絵本は、人間と人間の、そして、人間と他の生きもののコミュニケーションが言葉によるものではなく、顔の表情や体の動き(ボディランゲージ)、かすかな気配によって成り立っているかを静かに教えてくれるのではないでしょうか。絵本に満ちている生きものの気持ち、そして、溢れてくる言葉に触れると不思議に心があたたかくなります。
書き言葉や話し言葉よりも声の調子や顔の表情、身振りによって、人は人の本当の気持ちを読み取っているのではないかということを感じます。「口先だけの言葉」と言われますが、真実の言葉は、もっと深い部分から伝わってくるのではないか。また、全身をかけて伝えるものではないかということに考えが及びました。
私自身、点頭てんかんによる知的な障害を抱えた娘を育てながら、言葉というものについて深く考えさせられています。知的な障害を抱えていて言葉を話せないということと、心に意思や感情が無いということはイコールではありません。人間であるからには必ず意思や感情があると信じながら、娘のわずかな表情の変化や体の動きを通して、娘の気持ちを感じながら育ててきました。しかし、そんな娘を育てることを通して、本当に育てられたのは母親の私の方かもしれません。
2歳半で初めて、「あとうたん」と言い、4歳半の時に初めて、「んぽぽ、いれい」(たんぽぽ、きれい)という二語文を語った娘とのコミュニケーションはまさにエッツの『きこえるきこえる』の絵本の世界でした。絶版であることが残念な一冊です。
1 件中 1 件~ 1 件を表示 |