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鶴見良行の代表的著作。普段の生活に在りながら(在るからこそ)意識しない「モノ」に注目して徹底的に調べる手法。日本での生活がバナナの生産者とどう繋がっているか知り、考えさせられる一冊。
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この本の良さはまず、バナナという日本人にとっては身近な食べ物を題材にしている点であろう。フィリピンにおける生産者と多国籍企業の関係は必ずしもフィリピンに限った事ではない。他の多くの途上国で現地の人々が食することのない商品作物を生産している。だがそのほとんどは市場価格の不安定さのあまりに生産者の生活を苦しめるものとなっている。普段先進国に住む我々が普段気に止めない世界で起こっている現実を見つめ直す機会となる一冊。
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私の研究の方向性を導いてくれた本です。「あいだ」が大事なんです。今はトレーサビリティとかいいますけど、こういうトレーサビリティがアグリビジネスが展開する現代にもっとも重要な視点です。
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レポートの為に読んだけど難しすぎて分からない部分も多かった…。でも私たちが当たり前のように簡単に手に入れられるものの背景に、こんな悲惨で過酷な現実があったなんて大きな衝撃を受けた。
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日本でバナナが安く売られている背景には商社が安く買い叩いていることが分かり、私達もまたその一端にいることを感じさせられた。
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これは新書ですが、古本屋で100円でであった本です。タイトルが、わかりやすいのに謎々なこの本。読んで何になるのかと(古いし)思いきや、意外と貿易や歴史関係に深い関わりがかかれており、ためになったなーと思った。 独立国でありながら、植民地という国は本当に先進国に振り回されている。 近年、フェアトレードいう言葉が流通しつつある中で、こういう源流を知ることが大切かと思う。 人間の行いは、新書という新しい情報で構成されていている結果論では意味がないことが多い。そう気づかせてくれた一冊だ。
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これを読んでフェアトレードに興味が沸きました。今までフェアトレードなんか毛嫌いしてたのに、身銭切って買う価値ありますよ。良い本です。
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言わずもがな名著。経済や社会問題に
興味がある人もない人も一度は読んでみるべき。
世界観が、かわる。
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[ 内容 ]
スーパーや八百屋の店頭に並ぶバナナの九割を生産するミンダナオ島。その大農園で何が起きているか。
かつて王座にあった台湾、南米産に代わる比国産登場の裏で何が進行したのか。
安くて甘いバナナも、ひと皮むけば、そこには多国籍企業の暗躍、農園労働者の貧苦、さらに明治以来の日本と東南アジアの歪んだ関係が鮮やかに浮かび上がる。
[ 目次 ]
1 バナナはどこから?―知られざる日・米・比の構図
2 植民地ミンダナオで―土地を奪った者、奪われた者
3 ダバオ麻農園の姿―経営・労働・技術
4 バナナ農園の出発―多国籍企業進出の陰に
5 多国籍企業の戦略は?―フィリピン資本との結びつき方
6 契約農家の「見えざる鎖」―ふくらみ続ける借金
7 農園で働く人びと―フェンスの内側を見る
8 日本へ、そして食卓へ―流通ルートに何が起ったか
9 つくる人びとを思いながら―平等なつながりのために
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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「一本の鉛筆の向こうに」っていう、少なくとも光村の教科書に載ってる話はある世代の人達には有名だと思う。ポディ・マハッタヤさんとか、トニー・ゴンザレスさんとか、ダン・ランドレスさんとか! 一本の鉛筆にもこれだけの人の努力があるのだから大切にしましょうっていう話。でもこの話の裏には、絶対に問題が隠れている。たとえば『バナナと日本人』に書かれているような。「自分たちも好んで食べることがあるが、背に腹はかえられず売ったり献上したりして、より低質の食物を主として口にするという農業生産パターンは、昔も世界中にあったし、今日でも見られる。日本の稲作農民もそれを経験した。だが、ミンダナオのバナナ労働者の場合は、それとはかなり異質だ。かれらは自ら食べたくもないバナナを作っている。(中略)自分たちで食べないものの生産から食べないものの生産へと、どうして移行したのか。」(未読了)
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今や世界だけでなく日本の中だけでも云えることであるが、「安さには裏がある。」のだ。
昔は割と高級なバナナであったが、それは台湾バナナであった。台湾は輸出量にムラがあり、70年代頃から安いフィリピン産のバナナに変わっていった。輸出量にムラもないし、大土地所有制による安定した輸出が可能であったこと、これをまず踏まえる必要があろう。
ただ、安定したということは定常的に働かされている人がいる。開発経済といえば、「輸出志向」であり、あたかもそれが生活をゆたかにしたかのように錯覚する。しかしフィリピンでは、不安定な身分で働いている人がおおくいる。フィリピンはながいこと戒厳令が布告されており、労働運動ができないのだ。
そのためにも「フェアトレード」や「共同購入」は重要なのかもしれないが、まだまだ世界は多国籍企業による支配が進んでいる。発展途上国も時間の問題なので、じきに「飽食の時代」は終演を迎えるのかもしれないが。
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アメリカの企業と、日本、そしてフィリピンのバナナ農園の関係についてその実態を詳細に書かれた本。
昔に書かれたものなので、現在はどうか分からないが、
このような、巨大資本が、発展途上の土地を自分達の利益のためだけにいじくり回すという現状は世界の至るところでも見られる問題だろう。
我々日本は、自分達のことだけを考えず、世界全体が利益を共有できることを考えなければならないのではないか。
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目次:
1 バナナはどこから? ―― 知られざる日・米・比の構図
2 植民地ミンダナオで ―― 土地を奪った者、奪われた者
3 ダバオ麻農園の姿 ―― 経営・労働・技術
4 バナナ農園の出発 ―― 多国籍企業進出の陰に
5 多国籍企業の戦略は? ―― フィリピン資本との結びつき方
6 契約農家の「見えざる鎖」 ―― ふくらみ続ける借金
7 農園で働く人びと ―― フェンスの内側を見る
8 日本へ、そして食卓へ ―― 流通ルートに何が起こったか
9 つくる人びとを思いながら ―― 平等なつながりのために
あ と が き
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久々に再読した。
高校か大学の授業で「これ読め」と言われて読んだ記憶がある。なんとなく高校だったような気がする。
1982年の本なので、今と比べて時代背景も違うし問題意識も違うので昔話を読むようなものではある。
本書のテーマとしては、多国籍企業による発展途上国搾取の構図である。それも、もともとの地場産業を支配するということではなく、日本にバナナを輸出するという目的のもとにフィリピン政府に働きかけ不正に土地を確保し、地元農家を詐欺同然に騙して元々の米作などからバナナ生産に切り替えさせ、借金をさせて縛り付け搾取を続け、地元には金が落ちず上前は多国籍企業がはねるという。これは、地元の低賃金労働者を雇用してうんたらかんたらというレベルではなく、産業構造さえ自分たちの利益のために変えてしまうという徹底したやり方だ。
文章の端々からマルクス主義的な香りがするので、著者としては国際資本主義による搾取構造を抉り出してうんたらという趣旨なのであろう。その問題意識は現在では少しずれてしまうのだが、まぁ論旨は概ねその通りだなと感じる展開であった。
そして、思うのは「今のフィリピンとバナナはどうなったのか」だ。何か適切な本があれば読んでみたい。
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mixiコミュニティ「読書会◆アウトプット勉強会」内のトピック「BOOK BATON」にて、紹介されていた本。
日本人にとって、もっとも身近な果物の一つ、バナナを軸にして、日本と産地であるフィリピンの貿易史について書かれている本。
読んでみると、猛威を振るう多国籍企業と、支配、搾取、蹂躙されるフィリピン農業の実態が痛々しく描写されている。
最も、恐ろしいと思ったのは、以下の箇所。
「こうして、フィリピンと日本はつながった。だが、国家と国家ではなく国民と国民の関係として考えてみると、実際にバナナを作っているフィリピンの労働者と、これを食べている日本の消費者は分断されているといえないだろうか。私たち日本人のバナナへの関心が、『価格』や『栄養』や『安全性』にだけとどまっているのは、その端的な例である。」(p.223)
フェアトレードという考えがコーヒー等で近年では流行している。
バナナでも同じく、農家のことも思いやる取り組みが必要なのではないか。