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「人生なんてうまくいって原点そこそこなんだ」なんて,ハタチの頃には頷けやしなかった。
2003/06/04 06:59
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投稿者:Snakehole - この投稿者のレビュー一覧を見る
題名の通り,あの不朽の名作「麻雀放浪記」(全4巻)の続編……というか後日談という体裁の小説である。
戦後の混乱期,「ノガミのドサ健」などと共に熱い季節を過ごした「坊や哲」だったが,齢40を数えて体もゆるみ覇気もなく,親の家に居候して無為徒食の日々を送っていた。ある日煙草の万引きで放り込まれた留置場で無頼の匂いのする青年ヒヨッ子と出会い,彼に「博打を教えてやる」ことになる。久々に味わう鉄火場の空気に,体の奥底でくすぶっていた哲の熱い血が燃え上がり……。
以前高名な評論家が,ある教養小説について「人生において三度読んだ,読む年齢によって感動する部分が違う」と書いているのを読んだことがあるが,この小説はワタシにとってその教養小説みたいな趣がある。
思えばこの本の単行本が出た81年,ワタシは雀荘で働いていた。俗にいう「雀ボーイ」というヤツで,メンバーが足りなければ客に混じって打つ……。あの頃はこの小説,クライマックスが麻雀でないのが不満で,本編「麻雀放浪記」より一段落ちるという評価をしてた。ところが主人公と同じ年齢になった今読むと,博打のシーンよりその合間の彼が垂れる講釈の方に,いやその講釈を垂れる気持ちのほうに共感する。読むにも年期が要る本があるのである。
「人生なんてうまくいって原点そこそこなんだ」なんて,ハタチの頃には頷けやしなかったよなぁ(笑)。
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