紙の本
スペイン岬の謎
2013/05/20 22:20
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投稿者:ホームズ - この投稿者のレビュー一覧を見る
なぜ犯人は被害者の服を持ち去ったのか?ってところを二階堂蘭子シリーズでネタバレされてしまった・・・。
紙の本
国名シリーズの装画
2005/04/04 07:19
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:明けの明星 - この投稿者のレビュー一覧を見る
通称スペイン岬でジゴロが殺された。全裸にケープ一枚という格好で。なぜ犯人は被害者の服を脱がせたのか?
タイトルのCapeは岬とケープをかけたものだ。『フランス白粉の謎』のPowderと『チャイナ橙の謎』のChinese Orangeも、それとなく二重の意味を持たせている。
『エラリー・クイーンPerfect Guide』にはアメリカで当時出版されたときの書影が載っているが、注意して見てみると面白いことが分かる。
国名シリーズは『国名+もの+の謎』とタイトルが統一してあるのだが、書影には、トランプのダイヤのクイーンをバックにして、その『もの』に当たるものが描かれている。『ローマ帽子』には帽子、『オランダ靴』には靴、『ギリシア棺』には棺、『エジプト十字架』には十字架、『アメリカ銃』には銃、『シャム双子』には(これはそのまま)シャム双子、というふうにだ。
ところが上にあげた『フランス白粉』と『チャイナ橙』と『スペイン岬』だけは、そのパターンをはずしている。なぜか? もちろん二つのものを同時に指すことを暗示しているのだ。
『フランス白粉』でダイヤのクイーンをバックに描かれているのは(自信がないが)ブックスタンドだと思う。『チャイナ橙』には、鏡に写した橙色のダイヤのクイーンが描かれている。これは作品のテーマが「あべこべ」だということを示している。この二つの作品では、タイトルや装画さえも、一種のトリックであり、同時に手がかりなのだ。
『スペイン岬』の書影は、ケープをまとった全裸のジゴロの死体である。この作品の場合は、Capeがはやばやと岬とケープの二つを意味すると分かってしまうから、二つの意味を隠す必要がなかったのだろう。ダイヤのクイーンがなくなっている理由はなぜか分からない。
書影のことはこれくらいにしておく。
本書『スペイン岬の謎』は、クイーンらしい、論理でガッチリ固めた本格ミステリである。勘のいい読者なら思いつきで犯人が分かってしまうかもしれない。ネットで感想を見ても、これは分かったという人が多い。僕は分からなかったが……。
しかし、直感で分かることを、あくまで論理によって緻密に推理しようとする作者クイーンの姿勢は、首尾一貫して自分のスタンスを守ろうとするようで好ましい。
装画にまで細かく気を配ってフェアプレイに徹した作者に思わず脱帽したくなる。
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スペイン岬と呼ばれる花崗岩塊の突端にある別荘の海辺で発見されたジゴロの裸の死体。この家にはいずれも一癖ある客が招待され、三人の未知の人物が加わっていたらしい。被害者はなぜ裸になっていたか? 魅惑的で、常軌を逸していて、不可解な謎だらけの事件――と作者が自讃するこの難事件に対決するエラリーの精緻きわまる名推理!
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スペイン岬と呼ばれる花崗岩塊の突端にある別荘の海辺で発見されたジゴロの. 裸の死体。事件の発生当時に、スペイン岬の所有者ゴッドフリー家には、いずれも一癖ありげな客が招待されていたうえに、さらに三人の未知の人物が加わっていたらしい。その理由はなにか? そして殺人犯は、なぜ被害者を裸にする必要があったのか?
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間違えられた誘拐事件。マーコと間違えられて誘拐されたローザの叔父デイヴィッド。スペイン岬で見つかったマーコの全裸の遺体。逃走したメイド。屋敷に集められた人々の共通点は?悪徳弁護士の登場。自殺した夫人。明かされた秘密。
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(1986.08.17読了)(1979.11.18購入)
*解説目録より*
スペイン岬と呼ばれる花崗岩塊の突端にある別荘の浜辺で発見されたジゴロの裸の死体。この家にはいずれも一癖ある客が招待され、三人の未知の人物が加わっていたらしい。被害者はなぜ裸になっていたか? 魅惑的で、常軌を逸していて、不可解な謎だらけの事件、と作者が自賛するこの難事件に対決するエラリーの精緻きわまる推理。
☆E.クイーンの本(既読)
「Xの悲劇」E.クイーン著・大久保康雄訳、新潮文庫、1958.10.30
「Yの悲劇」E.クイーン著・大久保康雄訳、新潮文庫、1958.11.15
「Zの悲劇」E.クイーン著・横尾定理訳、新潮文庫、1959.10.20
「レーン最後の事件」E.クイーン著・鮎川信夫訳、創元推理文庫、1959.11.13
「ローマ帽子の謎」E.クイーン著・井上勇訳、創元推理文庫、1960.12.02
「アメリカ銃の謎」E.クイーン著・井上勇訳、創元推理文庫、1961.04.14
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中学生の頃読んでいるはずなんだけど、例によってこれもほとんど忘れていたので初読のようなもの。
とはいえ、最大の謎は覚えていたから、なんとなく犯人はあの人だろうなあというのは見当がついてしまっちゃった。
まあいい。にもかかわらず、最後の謎解きシーンは息を飲んだ。
クイーンの筆力のなせる技である。
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休暇のバカンスに興じようとするエラリーを巻き込んだ事件は著者も自賛する不可解な難事件だった。
意味深な間違い誘拐
裸体にマントだけ身につけた死体
面識のない招待客...。
崖っぷちの波乱が殺人を必要としていた。
エラリーの誤算、犯人の失策とは。
誉れ高きエラリー・クイーンの国名シリーズ9作目。
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一人しか殺されなくて物足りない…などと考えてはいけない。なぜ被害者は裸にされなければならなかったのか。その疑問が解けた時の気持ちよさは相変わらずです。
エラリーは理屈をこね過ぎる。ストーリー展開が遅すぎるのでは?などなど弱点も目に付くかとは思うが、やはりご無沙汰していると読みたくなるシリーズです。
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創元推理文庫版のチャイナ橙が手に入らず、先にこちらを読了。
一定の水準は保たれており、面白いのは確かなのだが、他の国名シリーズと比べると少し見劣りする。
マーコの脅迫、それに怯える女たちというサブストーリーにも重点が置かれているのは作風の変化とも言えるだろう。
そこに文句などあるはずもないだが、推理の部分は少し薄く感じる。(頁数のことではない)
"全裸"というのが焦点になるのは当然なのだが、
①衣服の内容物のため
②遺体の身元を隠すため
③犯人の身元を隠すため
④衣服についた血液を隠すため
⑤衣類として欲しかったから
というのは少し甘いのではないだろうか。
例えば「濡れたのを隠すため」とか。
といっても1時間遅れたから奪わざるを得なくなったという真相は面白いし、あとがきも良い。
もう少し推理、論理の部分にも重点を置いて欲しかったが、悪くはない作品といったところ。
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スペイン岬と呼ばれる別荘で発見された真っ裸の男の死体。ちゃんと納得の内容でスッキリした。
やたらマントに拘るのにも、納得出来た。