紙の本
見えない怖さ
2002/06/26 16:34
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投稿者:郁江 - この投稿者のレビュー一覧を見る
これは怖い…自信をもって言える。発売当時後半部分が袋とじになっていたという事実からもその怖さが分かってもらえると思う。袋とじになっていた理由は「あまりにショッキングな結末だから」
この本の怖さは血みどろのスプラッタとはことなり、見えない怖さにある。何かが起こりつつある不穏な気配。ニューヨークの古いアパート・奇妙な隣人。ローズマリーの言葉を借りるとナスタベット夫妻はとてもいい人だけど 親切過ぎてときどき気味が悪くなるらしい。そして身重のローズマリーを襲う奇怪な出来事。
彼女の赤ちゃんは本当に悪魔の子なのか? それとも妄想なのか? じわじわと いやーな恐怖が絡みつく…ラスト ここで終わりなのーと叫びたくなった。
紙の本
超絶的な語りのうまさ
2002/02/07 13:44
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投稿者:ひろぐう - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作品をホラー小説として読むと、近年のスプラッタ系のホラーを読みなれた読者にはコワくもなんともないかもしれない。でも、まあ一度読んでみてください。「これぞ小説というものだ」と、その超絶的な語りのうまさにカルチャーショックを受けること請け合いだ。
最近の作家がどんなに上手くなったとはいえ、このような作品を書ける人は、数十年にひとりの天才だけだろう。とにかく、最後まで実際に何が起こっているのかは、はっきりと描かれないのだ。ほのめかしとヒントだけ。あとは読者の想像におまかせします、というわけだ。スプラッタとは対極的である。そのような手法は決して珍しいものではないだろうが、これほどみごとに語られた作品もめったにないだろう。
これは、わずか23歳のときに『死の接吻』で衝撃のデビューを飾り、ミステリ界を震撼させた作者が、それから14年の沈黙を破って1967年に発表した第2作。ウィリアム・ブラッティの『エクソシスト』とともに、70年代のオカルトブームの火付け役となった傑作だ。
紙の本
モダンホラーの原点
2001/08/27 19:18
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投稿者:なまもの - この投稿者のレビュー一覧を見る
現代の大都会を舞台に、正攻法で悪魔の物語を語ってしまう、その力量に仰天させられる。最後の最後まで、超自然現象が、確かに起こっているのかどうか曖昧にしているのがうまい。
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何がどう好きかよくわからないまま好きなんです…。母と胎児の不思議なつながりめいたものを扱ったものであるし、日常に潜んだ不安と根深い恐怖を扱ったものでもあります。
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原作がこれだけいいと映画はなかなか厳しいものになりやすいけど、良かったな。大好きな1冊。
1993年
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このアイラ・レヴィンという作家は、この作品で一躍世界的に名を轟かせた方でしょう。
神対悪魔、「サタニズム」を描いたものとしては、これが最初になるのか?
映画「エクソシスト」や「オーメン」でもあるような、キリスト教信者ではない人には理解し難い恐怖が見事に表現されています。
何かモンスターや幽霊が出てくるわけでもない。
自分がおかしいのではないか。
読んでいて凄く嫌でしたねえ。
なんというか、胃の辺りがムカついてくるような不快感と恐怖。
読み終わった後は、暫くは手に取りたくなかった覚えがあります。
しかし、確実に面白いといえる一冊です。
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先の展開が気になって、あっという間に読み終わりました。妊娠中の不安な心境と、明らかにおかしい周りの人々。そしてラスト。映画も気になります。
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実家に置きっぱなしの本の山から発掘。そんなに昔の話だとは思っていなかったんだけど、初版は昭和47年。いやー、話はおもしろいんだけど、訳が古いです。妊娠してからというもの毎日体の不調に悩まされ、やつれはてて目の周りにクマを作っているローズマリーを見た友人のセリフが「パンダ(華南やヒマラヤ山中に住む、ネコよりやや大きいあらいぐまの一種)なら羨ましがりそう」あのー、パンダに注釈はいらないですけど。しかも、ジャイアントパンダとレッサーパンダが混ざってないですか?!日本人がパンダを知らなかった時代に訳したっきりなんてもったいない。ぜひ、新訳をお願いしたい。
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なぜかミステリーと思って読んだらホラー?サスペンス?
不気味な雰囲気がしっかりと味わえた。
世にも奇妙な物語的な面白さだった。
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心理ミステリ・ホラーというべきか。
時代なのだろうけど、どうにも訳がいただけない。
古典云々ではなくて、言葉が古いのだ。
悪魔信仰については、むしろ黎明期もしくは元祖に近い物なのだろうけど、
いまでは手垢がつきすぎて、読む側としては特に恐怖も気味の悪さも感じない。
ちょっと今読むには、この作品は旬が過ぎてしまっているようだ。
(原書はわかりませんよ)
ロマン・ポランスキー監督が映画化されているんですね。
それが意外。
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アイラ・レヴィンの二作目、え~!!ホラーです。
一作目がするする読みやすかったのに比べ、このズンとした重さと、
ジンワリとしただるいイヤ~な気持ちはは何?
妊娠という女性にとって重大イベントがホラー扱いにされてしまって
(結果、結局ホラーで)
そういえば、昔映画の案内書的なモノ見た覚えがあってただ怖い!というイメージしかありませんでした。
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悪魔崇拝の不気味なストーリーも素晴らしいが、妊娠中や出産後における母性本能みたいなものが、色濃く描かれているところが実に面白い。作者は女性かと思いきや、男性であると知り驚いた。
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アイラ・レヴィンが1967年に発表したサスペンスホラー小説。
「悪魔の復活」を画策する悪魔崇拝者達の企みにより、悪魔の子を産むこととなる新婚女性の視点からストーリーは描かれる。
キリスト圏の大国であるアメリカに悪魔の子が誕生するという悪魔崇拝(サタン信仰:サタニズム)の台頭をテーマに置いた本書は、当時、泥沼化する「ベトナム戦争」で多くのアメリカ国民が国政による戦争は善か悪かで平和に対する価値観が大きく揺らぎ、混沌とした時代的背景が色濃く反映されている。
刊行の翌年にはロマン・ポランスキー監督により映画化され、その後にブームとなる「悪魔の復活」をテーマにしたホラー映画『オーメン』、『エクソシスト』などの先駆けとなった。
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所謂、モダンホラーの先駆と称される作品。アメリカ社会の雑多な世俗とともに、前近代的悪魔崇拝に堕ちた集団の狂気の顛末を描く。
物語はいたってシンプルで、結末自体も驚くものではない。まるでオチのつけようがなく、途中で投げ出してしまったかのような中途半端な印象。キリスト教信者以外には、衝撃度は低いだろう。猫目、尻尾、角…、人間の妄想そのものの悪魔の誕生、第三部は殆ど茶番である。
伏線など色々と工夫はあるが、
致命的に面白くない。残念ながら、レヴィンは死の接吻一作のみで枯れたのだろう。
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この小説、なにもかもが好きすぎて、この小説の世界に飛び込みたくなる。
あたらしい機能的な家より、古くていろいろいわくつきのアパートに惹かれた主人公夫婦の感性に、まず共感しちゃう。
わたしもこのアパートに住みたいー。
悪魔の巣窟でもぜんぜんかまわないもんねー。
感想はあとでブログに書くつもり。