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紙の本
オホーツク人・オホーツク文化の入門書として面白く読めた
2020/12/06 15:40
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投稿者:大阪の北国ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
網走のモヨロ貝塚の発見の場面で始まり、そこで見つかった土器、骨片、石器などから“海洋”民族オホーツク人の捕食の様子や生活ぶりを解き明かしていく。オホーツク人はアイヌ、擦文文化を生み出した人々ではなく、海にのり出していく人々である。
そしてその発掘品である北海道では産出しない青銅製の帯金具や鈴、鐸、小刀、銀製の耳輪などからシベリア大陸の文化との関連も述べられる。これらは「交易」によって北海道に存在することは明らかだが、物の往来にとどまるのか、その物を持って来た人々が定住したことによるのか興味は尽きない。
住居やクマの頭を保存する風習、葬制、骨格の特徴などからも考証は続く。
特にオホーツク人とアムール川中下流からサハリン北部に所在する各民族との濃密な関連性を語る部分は面白い。靺鞨、女真、アリュート、コリヤーク、カムチャダール、ウルチなどの諸民族が分析対象に上がる。
また後半にはこのオホーツク人のルーツについて、加藤晋平説・菊池俊彦説・大井晴男説・藤本強説・石附喜三男説など名だたる泰斗の学説も紹介され判りやすい。
本書は学術書ではなく中高生向けの入門書かと推察されるが、従って読みやすく論点が簡潔に纏まっているためオホーツク人・オホーツク文化の入門書として最適だと思う。
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