投稿元:
レビューを見る
普通に過ごしてたら気付かないことだけど、知っていなくちゃいけないこともある。
この本では、建築資材や埋め立てに使われる山砂の主産地である千葉県君津市のことが書かれています。
ここでは、当時の二十年間、丘陵が次々に削られれ、一日に四千台も通るダンプカーが沿道住民に騒音、振動、交通事故や粉じんによる健康破壊を引き起こしていました。
その実態を精力的な調査によって明らかにし、その問題点などを浮き彫りにした本です。
全国で埋め立てが行われていますが、それには当然たくさんの砂が必要になってきます。
その砂はどこから来るのか。僕らはそういうことは考えないでその事業を見てしまっています。
当然どこかから削りとってくるのでしょうが、そこで問題がたくさん起きているのです。
ダンプカーの運転手も生活するので精一杯、掘削業者も精一杯、周辺住民は満身創痍。
こういうのを聞くと判断に迷うが、住民の健康が第一。
みんな嬉しくなるようなシステムはないのだろうか。
どんな都市でも、骨材を必要としない都市はない。したがって、このような問題は、全国各地で大なり小なり起きているに違いない。
僕らはこの問題に対して、どういう態度をとればいいのだろう。
新しい都市開発も大切かもしれないが、そんな時代はもう終わりを迎えてるのかもしれない。
それによって取り返しのつかない自然破壊をしてしまうのならそれは考えなおすべきなのだろう。
輝かしい表ばかり見てたらだめってことはわかってるんだけど、ついそういうところばかりに目がいってしまう。
意識的に見なくちゃ、きっと勝手にはそういう情報は入ってこないんだろうな。