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投稿者:k - この投稿者のレビュー一覧を見る
この一言につきる
30年以上前に見た映画キリングフィールドの残酷な場面が思い出された
と同時にそれらはほんの一部でしかないことを教えられた
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1980年当時、「虐殺なんて嘘だ。ポル・ポト政権にも多少の間違いはあったかもしれないが、それは理想的な社会主義を目指していたからこそだ。その政権を力で崩したベトナムは許せない。」という意見が大多数をしめていたときに、果敢に現地取材を試み、ポル・ポト政権の真実を暴こうとしたルポルタージュ。
本の内容はもちろんのこと、掲載されている写真も痛々しいものが多く、改めて当時の悲惨な状況のことを知ることができました。ポル・ポト派幹部の証言などもあり、まさに迫真の取材です。
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戦争や内乱のあとの人々を撮り続けるカメラマンが、ポル・ポト政権
崩壊後の1980年にカンボジアを訪れて書き記したルポルタージュである。
忘れがちではあるが、ベトナムと同様、カンボジアもアメリカの阿呆な
介入で多くの不幸を被った国である。
フランス領からの独立を勝ち取り、シアヌーク国王(当時)のもと、
不完全ではあるものの肥沃な国土で「国」としての姿を作りつつあった。
しかし、お節介焼きのアメリカによって、首相であったロン・ノル将軍の
クーデターが起こる。
そして、腐敗したロン・ノル政権に対するポル・ポト率いるクメール・
ルージュの台頭で国内には恐怖政治の嵐が吹き荒れる。
まず弾圧されたのは宗教だ。僧侶であるというだけで殺され、次には
知識階級・富裕階級、医師、教師、看護人と続き、フランス語や英語を
解するというだけの理由で多くの人々が殺害された。
政権崩壊後、クメール・ルージュによる虐殺はでっち上げだという論議が
あった。だが、著者は強制移住させられた人、クメール・ルージュの
元幹部等に取材し、その残虐さを見事に書き上げている。
また、ジェノサイドの証拠ともいえる人骨を発掘し、写真に収めてもいる。
老人と子供を残し、多くの男性が殺害された国で、後に残されたのは女性
ばかり。その女性たちが恐怖政治を耐え抜き、再度、人生を立て直そうと
している時代の話だ。
秀逸なルポルタージュだが、現在は絶版らしい。残念…。
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(1999.03.17読了)(1993.11.05購入)
☆関連図書(既読)
「あの日、ベトナムに枯葉剤がふった」大石芳野著、くもん出版、1992.11.20
「小さな草に」大石芳野著、朝日新聞社、1997.04.01