紙の本
クトゥルフの出現
2002/07/22 04:17
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トリフィド - この投稿者のレビュー一覧を見る
クトゥルー神話の始祖として知られる、20世紀の怪奇小説作家の大
御所H.P.ラヴクラフトの全集の第2巻。収録作品は次の通り:
「クトゥルフの呼び声」
「エーリッヒ・ツァンの音楽」
「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」
「クトゥルフの呼び声」—— この作品は、クトゥルー神話の最大
の原点といってよい大傑作。世界各地で起きた様々な奇怪な出来事
や数々の事実がひとつに結び付き、そして、恐るべきヴィジョンが
読者に提示される。良くできたストーリーであり、クトゥルー神話
大系の世界観が一挙に明らかにされる点で重要でもある。みごとな
作品だ。
「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」—— 本書の大半を占める
長さで、これは事実上長篇である。自分の祖先である謎めいた魔術
師の探求から始まるこの物語は、精緻な構成の、読み応えのある作
品だ。歴史ロマンの雰囲気も色濃く、わたしが最も好きなラヴクラ
フト作品のひとつでもある。
「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」は、しばらく前に『ヘルハ
ザード』というタイトルで映画化された。少々翻案されていたが、
なかなか良くできていたと思う。
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『クトゥルフの呼び声』『チャールズ・ウォードの奇怪な事件』収録。
初期作品が多いので、それほどクトゥルー神話は出てこないものの、チャールズ〜は必読!不気味でそして人間の恐ろしさが垣間見れる
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不朽の名作「クトゥルフの呼び声」が収録されている。「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」はハマんないと読めなさそう。
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クトゥルフ・シリーズは「クトゥルフの呼び声」しか
入っておらず、少し残念。
2008年10月読了。中古で200円。
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「クトゥルフの呼び声」「エーリッヒ・ツァンの音楽」「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」の3作を収録。
クトゥルフ神話からラヴクラフトに入った身としては当然「クトゥルフの呼び声」が気になる所だが、この中では一番つまらないかもしれない。
むしろ「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」、長いですがおもしろいと思います。珍しくミステリーテイストで話が進行します。
ミステリーとしては結構先が読める展開だったような気がしますが、後半になればなるほど話に引きつけられました。
詳細な感想はこちら http://d.hatena.ne.jp/Caroli/20090129/p1
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ラブクラフトの数少ない長編の一つ「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」が収録されているが、なんとも読みにくいため難儀しました。やっとのことで全部読みましたが、展開が同作者の別の作品とほとんど同じだったり…。全集を読んでるとよくわかりますが、展開が同じ作品がいくつかあります。
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「クトゥルフの呼び声」(考古学者の甥と、船乗りの体験談)「エーリッヒ・ツァンの音楽」「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」の三編。
面白かったのは「エーリッヒ・ツァンの音楽」。屋根裏で流れる、奇怪にして魅力的な音楽。窓からの展望。奏者の老人。絵にしてみたいと思った。
「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」も、紳士然としているが怪しく奇怪な男性がイメージされた。
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「クトゥルフの呼び声」は正しく、「何かすっごい大きいのに追いかけられた!すっごい怖かった!」という感じでした(笑)。個人的には「エーリッヒ・ツァンの音楽」が好き。「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」は時間はかかったけど読み終えられて良かったなー…と思う作品でした。
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『肉体器官の作用が極度に均衡を失って…』『見る者をして、部屋の隅々から妖気の立ち昇る思いを感じさせるのだった』だの持ってまわった小難しい言い回しが多いのが著者(翻訳?)の特徴。おかげで「古風」で「変に不気味」で「妙なシズル感」がある文章。
その上長編でサラッと読むめない、序盤で何となくオチの予想が付く。けれど何回も読み返してしまう「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」。
特に後半のドロンドロンな展開が同じく後半の主人公であるウォレット医師の勇気と行動によって思わず読み進めてしまう展開にしているのがなんかいい。
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全集2の読みどころ
クトゥルフ神話の原点『クトゥルフの呼び声』
『ラヴクラフト全集』の読みどころ
1930年代のパルプフィクション・ホラーの中から生まれ、みじかい活動期間でありながら、多数のフォロワーを今なお生み出しつづけている。
ラヴクラフトの面白さを、ぜひ知ってもらいたく選びました。
今すぐにでも彼の小説のガジェットを使って彼のフォロワーとなることができるのも、ハマリこめる理由の一つ。
初心者には特に、短編かつラヴクラフトらしい『ダゴン』がオススメ。
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『ラヴクラフト全集』2巻目です。『全集1』とは訳者が違いますが,相変わらずの重厚な文体で,読むのがちょっと疲れます。
『全集2』には,いよいよ「クトゥルフの呼び声」が収録され,「クトゥルフ神話」の核心により一歩近づきます。ですが私のおすすめは,長編「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」です。
チャールズ・ウォードという青年の身に起こった事件の記録なのですが,チャールズの事件は彼の先祖のジョゼフ・カーウィンという男と深いつながりがあり,100年前のジョゼフの身に起こった事件が断片的な資料から徐々に明らかになっていきます。そしてチャールズの事件も,断片的な資料や証言から徐々に真相が明らかになっていき,最後はちゃんとすっきり決着がつきます。「すっきり決着がつく」というところがラヴクラフトにしては珍しいんじゃないかと思います(といっても彼の作品は7編しか読んでいないので,傾向を云々する資格はありませんが)。
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古書購入。
ホラー。暗黒神話。
クトゥルー(ここではクトゥルフ)神話の創設者、ラヴクラフト。その短編集。
最後の短編は、短編って言うには、長い。
全編通しておどろおどろしい。ここではないどこかの絶望的な話。気が狂いかねない恐怖と隣り合わせにされた人々。
精密な絵を見るような描写が特徴の作者。勉強になります。
長め、最後の「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」は終わりはまだ救いがあります。他のは、解決してなかったり、裏でざわざわしてたりして、落ち着かないままなんです。ゾンビ、蘇りもの。
呪文が綺麗です。
「死せるクトゥフが、ル・リエ―の家で、夢見ながら待っている」
とかはかなり有名ですけど、邪神への呪文とは思えませんね。(うっとり)
さて、内容紹介。
最初はそのものずばり「クトゥルフの呼び声」。
大伯父が死んで、その遺品を片付けていた主人公は、ある資料を見つける。
そして、その資料の真偽を確かめていくうちに、邪神が復活しかけていたのだということを知る……。
「エーリッヒ・ツァンの音楽」では知らぬまに異世界。
老音楽家エーリッヒ・ツァンは陰鬱なヴィオル(ヴィオラ?)を奏でる。すると外は得体のしれない世界に。外で様子を伺う化け物から、エーリッヒは自分を守るために、楽曲をかなで続ける……。
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なんとか読了です。1巻に引き続きしんどい文章でした。じわじわぬるぬる忍びよる感覚とクトゥルフの魔神たちの得体の知れなさがこわ。
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This is not dead which can eternal lie,
And with strange aeons ever death may die.
この一節、宇野訳がいちばん好きだ!
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「クトゥルフの呼び声」
主人公が突然謎の死をとげその大伯父の遺産から、クトゥルフ教団の秘密に迫る。
少しずつ謎が明らかになっていく過程がいい。世の中知らない方がいいことってあるよね…。
「エーリッヒ・ツァンの音楽」
虚実の狭間に消えた、おぼろげな記憶の中にしか存在しない町、オーゼイユ街。
街並みの描写や屋根裏から聞こえる音楽、ツァンの様子どれをとっても綺麗にまとめられていると思った。
屋根裏から見えた果てしない闇黒の荒野は一体なんだったのか、ツァンの書き記した真相も窓から飛び散り文字通り闇の中だが、そこが読者の想像力を刺激させて上手いと思った。
「チャールズ・デクスター・ウォード事件」
一つの町に数百年の時を越えて復活する陰謀と恐怖、という因縁じみたテーマや、主人公の変貌にまつわる謎とトリックなど読み応えがありました。冗長に感じた部分もあるけど、伏線も上手く回収されていて面白かったです。